自己点検・検証の結果と改善方策について

この度、弊社において発生いたしました、検定申請中教科書の取り扱いに関する不適切な行為について、自己点検・検証した結果と今後の対応策を、4月22日、「改善報告書」として文部科学省に提出致しました。

本事案は、教科書内容の充実、正確性の向上を図ることを目的に、先生方より具体的なご指摘を頂きたいという思いから発生しました。その際、文部科学省規則により禁止されている申請図書の開示と、それに伴い、教科書協会の「教科書宣伝行動基準」で禁止されている謝礼の支払いを行いました。

今回の事態により、教科書を使用する児童・生徒様方、教員・教育委員会の皆様、文部科学省の方々に大変なご迷惑をお掛けし、国民の皆様の教科書に対する社会的な信頼を失墜させましたことを、心よりお詫び申し上げます。

弊社は本事案を重く受け止め、規律違反行為の再発防止のため、別記のとおり改善方策を定め、申請図書の管理徹底と、公正・適正な教科書宣伝の推進に向け、社内体制の確立を図るものと致します。

全社で猛省し、教科書採択の公正性確保の重要性を充分に認識し、今後共教科書発行者としての責任ある活動に注力する所存です。

平成28年4月26日

日本文教出版株式会社
代表取締役社長
佐々木 秀樹

改善方策

1.今後の申請図書管理方針

  1. 申請図書は、検定申請時に文部科学省に提出する必要部数と、指導書執筆等編集作業に必要な最低限の部数のみを作成するものとする。
  2. 申請図書は、教科書協会が定める基準等を遵守し管理するものとする。
  3. 申請図書の作成用データは、申請図書作成に必要な外注先に対してのみ、外部に流出させない為の罰則を含む誓約書を徴求した上で、提示できるものとする。
  4. 申請図書の組版データは、すべて編集部が管理し、他部署に開示しないものとする。
  5. 申請図書の保管については編集本部が行い、開示及び持ち出しについては教科責任者、取締役編集本部長及び常務取締役全ての許可手順を踏むものとする。
  6. 申請図書の保管部数については、責任者である編集本部が常時点検し、把握するものとする。
  7. 申請図書が万が一外部に流出した事が判明し、かつ事実関係の調査の結果、深刻な事態に発展すると判断される場合は、その結果を文部科学省及び教科書協会に報告するものとする。
  8. 本申請図書管理方針は、平成28年度申請図書より実施するものとする。

2.今後の教科書宣伝方針

  1. 教科書採択においては、各採択地区で使用される教科書は、基本的に内容の適否に基づき選定されるものであるということを従来以上に充分に認識・尊重し、教科書採択に関与する者に対し、採択の不当な誘引と見なされかねない金品の提供等は、一切行わないものとする。
  2. 採択関係者への自宅訪問は禁止とする。
  3. 義務教育及び高等学校に勤務する学校関係者に対し、編集作業に伴う意見拝聴や原稿執筆などを依頼する場合は、所属長からの許可を得た者に限る事とする。その際、交通費は実費とし、謝礼は教科書協会が策定する「教科書発行者行動規範」の内容も踏まえ、今後、社内において基準額や上限額を設定する。
  4. 教科書の宣伝に際しては、上記の他、教科書協会が今後策定する「教科書発行者行動規範」を遵守するものとする。
  5. 関係法令、「教科書発行者行動規範」、本「改善方策」の遵守を徹底するために、社内研修会を毎年3月、9月に実施する。
  6. 本教科書宣伝方針は平成28年4月22日より実施するものとする。

以上