●鏃 YAJIRI

つくりだす喜びを味わう図画工作

 昨年の12月14日に教育課程審議会の答申を受け,文部省より新しい学習指導要領が告示された。その中で,小学校の図画工作科の目標について読んでみたい。

 〔表現及び鑑賞の活動を通して,つくりだす喜びを味わうようにするとともに造形的な創造活動の基礎的な能力を育て,豊かな情操を養う。〕と目標が示されている。現行の目標に比べて変更になった部分は,〔つくりだす喜びを味わう〕の箇所である。〔表現及び鑑賞の活動を通して〜〕で始まる目標のスタイルになったのは昭和53年からであるが,今回3回目で始めて〔表現の喜び〕の部分が〔つくりだす喜び〕になった。一見大した変更ではないように捉えられているかもしれないが,私は,ここに大きな今回の改訂の意味があるように思う。

 以前から感じていたことであるが,どうもこの教科は研究会の議論でも目標の受け止め方からして,個々バラバラなような気がしてならない。しかも未だにそういった議論を繰り返しているのは,この教科だけかもしれない。そういった曖昧さの原因の一つになってきたのが〔表現の喜び〕の表現という言葉ではないだろうか。

 今回の改訂でその曖昧さを〔つくりだす〕とすることにより明確にしたと捉えている。つくりだす喜びは人類が発達していく過程において手(前足)を自由自在に働かすことにより獲得してきたものである。しかも手を働かすことは思考力を大いに高めることにもつながってきた。まさに生きる力そのものである。

 このような原点に立って,もう一度この機会に,今回の図画工作科の目標を読み直し,みんなが共通理解して,これからの実践を展開し深めていきたい。

(こうか乱太郎)


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