●鏃 YAJIRI

美術教育と総合的な学習

 

 この3月に高等学校の新学習指導要領案がだされて,全ての校種の新教育課程が出揃った。21世紀の新たな教育を目指し,いよいよ来年の2000年から移行措置期間に突入する。学校現場では「総合的な学習の時間」についての関心が高まってきている。書店の教育書コーナーでは,ありとあらゆる総合的な学習の本が崩れそうなくらい山積みになっている。その光景を見るたびに,「21世紀の教育の主役は総合的な学習だ!」と言わんばかりである。その総合的な学習の時間は,「学び方やものの考え方」などの習得をはじめ,体験的な学習や問題解決的な学習を行う時間である。

 美術教育の研究会や美術教育誌の論調などで「図工・美術はもともと総合的な学習なんだ」とか,「新教育課程は総合的な学習が柱なんだ」とかいうようなことを言っている人がいる。たしかに,美術教育は総合的な学習がねらっていることと同じような点も多々ある。しかし,“美術教育が総合的な学習だ”なんてことを言っていると,将来大変なことに成りかねない。それは,次の改訂時に「美術が総合的な学習なら,総合的な学習があるから美術は無くてもよいね」と言われてしまいそうである。したがって,今後最も大切にすべきことは“美術の手法が総合的な学習の時間に多く生かされる”ような学習を行うことである。そのためには,平素の美術の学習において,どのように“課題解決能力”を育てるかという観点の授業研究ではないだろうか。

(ペカソ)


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