●鏃<YAJIRI>

練習じゃん


 1000メートルの持久走の練習の時だった。

 持久走は5・6年生の男子,女子がそれぞれ校庭を1周半を回った後,校門を出て隣接する浄化センターの公園を1周し,校庭にもどってくるコースである。

 私の担当は校門での交通整理。6年の男子5人の集団がだらだらと走って来た。「もっとしっかりと走れよ」と声を掛けると,その中の1人が「練習じゃん」と白い歯を見せて言った。久し振りに子どもの言葉にムッとした。彼等はスピードを上げることもなく,だらだらと校門を出て行った。

 今,小学生の高学年がよく口にする言葉に「疲れる」,「めんどうくさい」がある。作業や活動を始める前から「疲れる」,「めんどうくさい」と言い,なかなかとりかかろうとしない。図工の時間にも話し合いの活動にもみられる傾向である。

 一昔前に「指示待ち人間」が話題になった。指示されてはじめて考えたり,活動に取りかかるという受身の姿勢を問うものであった。

 小学生が使う「疲れる」,「めんどうくさい」,「練習じゃん」の言葉には,指示さえを受けつけない,嫌う姿勢が読みとれる。

 現在,学ぶ楽しさ,作る楽しさを強調するが,学ぶこと,作ることには何がしかの苦労,困難を伴うことが忘れられている。自分らしさ,思いの表現は安易な表現を誘発させていることを忘れてはならない。

 (三角定規)

 


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