●実践例2

共に学び,かかわりあいをとおして
学習を深める生活科

〜1・2年 秋を楽しもう《みんなでお祭り》〜

 
山梨県甲府市立甲運小学校
砂長完郎

 
1 はじめに

 新小学校学習指導要領の特質は「総合・連携・協力(開く)」「自立・自律」「体験」であり,それらを視点にして教育課程を編成する必要があるといわれている。

 生活科では,異学年の交流,幼児や高齢者との交流,学校間の交流などを図っていくことが求められている。

 本校の生活科においても異学年の交流を重視して1,2年生合同の単元が盛り込まれている。1学期には,学校探検,サツマイモの植え付けを行った。3学期には,飼育小屋のウサギの世話を2年生から引き継ぐために世話の仕方を教えてもらっている。今回,秋を楽しもう《みんなでお祭り》の単元を実施するに当たっては,2年生が準備したお祭りに1年生が参加する形式ではなく,1年生も祭りの準備の段階から一緒に活動することによって,共に学び合える場を設定することをねらいとした。

 

2 単元名

 秋を楽しもう《みんなでお祭り》(30時間)

 

3 活動のようす

(1)秋を見つけよう

 学校や家の周りのようすの変化に気付かせながら秋の自然に親しむ活動を行った。きれいに色付いた木の葉やどんぐりなどを集め,それを使って遊ぶ活動を行った。2年生は,昨年の学習経験をふり返りながら活動した。1年生は,秋の自然に触れる時間を多めに確保し,集めたものでどんなことができるのかを調べて実際に体験する活動を行った。

 1学期に農園に植え付けたサツマイモの収穫を1,2年生で行った。雨が多くサツマイモのできに不安があったがなんとか収穫できた。そのサツマイモをお祭りで焼き芋にすることになった。

(2)お祭りの準備をしよう

 これまでの秋を見つけようの活動の経験をいかしたアイデアが出され,グループごとに必要な材料を集める計画を立てた。グループの1,2年生のかかわりを深めるために路線バスを使って校外学習(遠足)に一緒に公園に出かけることにした。公園では,2年生が中心となってグループごとに遊ぶ計画を立て楽しく遊ぶことができた。遊びの後には,お店を開くために必要な木の実や木の葉をたくさん集めることができた。この一日をとおしてグループの1,2年生のつながりがよりいっそう深まり,これ以降の活動をスムーズに進めることができたのではないかと感じている。

 お店の準備では,自分たちの設計図を見ながらわからないところは,図書館の本を見たり,教師の支援を受けたりしながら活動に取り組んでいた。つくり方やお店の紹介など2年生が1年生に教えている場面が多く見られた。

(3)おまつりをしよう

 おもちゃ屋さん,飾り屋さん,ゲーム屋さん全部で12のお店が建ち並んだ。1年生も2年生もお店番になったり,お客さんになったりして,それぞれの立場で楽しんでいた。子どもたちは,自分たちがつくったものの名前や工夫したこと,つくり方などをわかりやすく伝えようとがんばっていた,つくったゲームでみんなが楽しんでもらえるように一生懸命説明している姿も見られた。自分たちのお店でつくるもののつくり方や,ゲームの仕方を説明することによって,相手にわかりやすく伝えるための方法を学ぶことができたと感じている子もいた。自分たちで準備したお店で多くの人が楽しんでくれたという満足感を味わうことができたことが子どもたちのふり返りカードから読み取れた。子どもたちが,お店を楽しんでいる間にお父さんやお母さんが焼き芋の準備を進めてくれました。おかげでおいしい焼き芋を食べることができ感謝するばかりです。

(4)活動をふり返ろう

 うまくいったこと,うまくいかなかったことなど自己評価を取り入れて活動をふり返ってきた。ふり返りから次の学習の目当てがもてるようになってきたと感じている。

 単元の終末では,児童に「どんなパワーアップができたか。」という投げかけをしてこの学習で自分にどんな力が身に付いたかをふり返るようにした。「…をして楽しかった。」「…をしておもしろかった。」という気付きばかりでなく活動をとおして自分の学びを実感できるようなふり返りができるようになってきたと感じている。

 

5 実践を終えて

 1年生は,2年生がリーダーシップを取って活動を進めていく姿から多くのことを学ぶことができた。グループでの話し合いの進め方やものをつくっていく作業のやりかたなど,1年生だけでは,つまずいて失敗してしまう場面でも,2年生と一緒に活動することでそれを乗り切ることができた。自分たちでやり遂げたという自信をもたせることができるよい機会であった2年生が活動のお手本を示すことによって,2年生になったら「あんなふうにしてみたい。」というあこがれの気持ちを1年生は抱いていた。その気持ちが,2年生の生活科を進めていく原動力になっていくものと期待している。

 2年生は,1年生に自分たちの考えをどう伝えていくのか,どうすればうまく活動ができるのかなど,普段の活動に比べると多くの課題があった。しかし,活動をとおしてより大きな達成感を味わうことができたのではないだろうか。また,活動の場に1年生が入ることにより,普段とは違った人間関係ができ上がり,いつもは,手助けをしてもらうことが多い子も,1年生の手助けをしながら作業を進めているようすも見られていた。自分のアイデアが,グループの中でいかされることが増えることによって,学習に対して自信をもって取り組んでいた。

 学年間の時間の調整や個々の児童の評価など課題はあるものの1,2年生で一緒に学習することで互いに大きく成長することができた学習であった。

  


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