社会科教室発行50号企画として座談会を開催しました。いずれも経験豊富な4人の先生方に新しい学習指導要領をふまえた新たな時代の社会科について大いに語っていただきました。
子どもを取り巻く状況と社会科の役割
- 山口
- 最初に、一般的に先生方が今の子どもたちをどのようにとらえているのかということをお聞きしたいと思います。
私は、「学力低下」など大人が言っていることに振り回されている気がするので、もうちょっと伸び伸びしていいかなと思っています。そういうなかで子どもたちは、社会に対する批判的な目をもっと自由に出してほしいと思っています。
- 井田
- 今の学生は、いろいろな情報がたくさんあるけれども、反対に選択肢が多すぎて、どれを取っていいかわからないという状況にあるように見えます。学習の方法にしても、 「何でもやっていいよ」と言われると、結局何をやっていいかわからないというのが現実だと思います。多様な価値観と言われていますが、言われながら自己中心的になってしまい、ほかのことを見られない、ほかのことを考えられないという、ある意味かわいそうなところはあります。
自由という名の過保護の中の子どもたちをどう教育していくかというのはけっこう難しい問題で、そういう意味での社会科の役割は、非常に大きいのではないかと考えています。
- 木村
- 今、いろいろな情報が氾濫して、PISA調査のデータもいろいろ出てくるなど、以前は一部の教育関係者のみが持っていた情報が、すぐに地域や保護者全体に広がっていく状態になっていることから、子どもたちは方向性が見えにくくなっているかなと思います。社会科というのは、そういった社会を映し出す鏡のような役目をもっているのだろうと思っております。
- 關
- 情報化社会というものが、子どもたちを取り巻く状況のなかで一番大きいことだと思います。そして、子どもたちはその社会に対応できていない。それは、子どもが大人からの厳しい指導を受けていないからだと思います。大人が子どもに色々と気配りしすぎて、成長が止まっているような感じを受けます。ですので、子どもたちが自分で考え、自分の言葉で話せるよう、指導していくことが求められ、そして情報化社会に参画できるようにするために、これからの社会科の役割があると考えています。
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