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ユニオン・キッズアート・ギャラリー・プロジェクト

update 2008-12-08

どのようなプロジェクトなのですか。

ユニオン・キッズアート・ギャラリー ポスターユニオン・キッズアート・ギャラリー・プロジェクトは、地域の商店街であるユニオン通りの店舗に子どもの作品を展示するプロジェクトです。一条中学校だけでなく、ユニオン通りに近い、西小学校、清愛幼稚園に呼びかけて約150点の作品を集めました。優秀な作品や展覧会のための作品を集めるものではなく、ふだんの授業でできたありのままの作品を展示することに意味を見い出そうというものです。そこには、子どもの思いがあり、考えがあり、個性があります。社会の中で、子どもの作品というのは多くの意味で誤解されていると感じています。これは、大人の価値観を子どもに求めるがゆえ起こる誤解であると言えます。子どもというのは、子どもにしかない視点でものごとをとらえ、そして表現しているのですが、それが伝わりにくいのです。そこで本当の子どもの作品の価値を、また、「子ども」という存在そのものを見直すきっかけがつくれたら、という思いから企画しました。
また、お借りできるスペースで最も大きなギャラリーには、鑑賞の授業で使わせて頂いている地元ゆかりの作家である故丑久保健一氏の代表作「10∞のボール」も展示し、生徒が体験した授業と同じように、参観者にも触察などを体験してもらおうと試みました。

地域や社会とのつながりについて教えてください。

展示風景 「白木屋」ユニオン通りは学区内の古い商店街です。父兄が経営する店舗があったり、生徒会主催のボランティア活動で清掃活動をしたりするなどのつながりがあったこともあり、今回のプロジェクトが実現しました。商店会との仲介は「白木屋」という老舗の画材店が行ってくれました。白木屋さんはユニオン通りとは筋違いにありますが、実は商店会が「アート」によって町おこしをしようと考え、今年から加入してもらったそうです。このような後押しに加え、卒業生のお店がギャラリーを持っているなどの好条件もありました。
子どもたちの作品を校内で展示する方法もありますが、せっかくなので外へ出そうと思いました。なぜならば、より多くの人に見てもらえるからです。そして、作品を通して会話ができるのであれば、子どもの作品の価値も見直されるかもしれません。そんなこともこれからは行っていかないと美術は学校教育からなくなってしまうのでは、という危機感を持っています。
美術の先生ができることのひとつに、作品をどうやって社会に還元するかということがあると思います。今回のプロジェクトを通して、社会の中で作品を通してコミュニケーションができて、ゆくゆくは「私の店にいつも作品を置いておいてくれないか」という話が出てくるようになったら嬉しいです。

このプロジェクトで生徒はどのような活動をしたのですか。

選択美術を取っている3年生が企画運営を行いました。子どもたちは、夏休み前までにでき上がっている作品の中から、展示する作品を選びました。作品を選ぶことから始めて、展示するお店のこともある程度想像しながら、美術館の学芸員と同じような仕事をしました。1つのグループで2〜3のお店を担当しているのですが、飾りつけも全部その子たちがやるというので、挨拶まわりにも行きました。何点飾れるかを聞いて、お店に持って行って、「どこに飾りますか」というところから始めて、お店の人に指示をしてもらい一緒に展示をしました。商店街の雰囲気を知るために取材したりもしました。他には、ポスターを作成したり、各小中学校へ発送するチラシの宛名書きや、額入れ、ネームプレート貼りなどの活動をしたりしました。生徒による作品鑑賞のナビゲートまた、当日の受付やビラ配り、道案内なども行いました。生徒にとってはどれも初めての経験でした。役割分担は、子どもたちが相談して、時間割表などをつくって決めました。お借りしている丑久保健一氏の作品鑑賞のナビゲートは、将来の夢が学芸員だという女の子が中心になって担当しました。これも初めての、よい経験になったようです。

小学校とのつながりについて教えてください。

展示風景 ユニオン通り商店街展示する作品は、はじめは中学校だけにしようと思っていたのですが、せっかくなので近くの小学校や幼稚園にも声をかけました。一緒に飾れば、小学生が見に来た時に中学生の絵も見ることができます。また、保護者や一般の参観者は、子どもの絵の発達を一同に見ることができます。それを意識した展示を商店街のほぼ中央にあるギャラリーで行いました。小学校の作品選定は小学校の図工主任の先生にお願いしました。預かりに行ったのが9月だったので、夏休みの宿題の作品が集まってしまうかな、と思っていたのですが、主旨をご理解頂けたようで、どれもふだんの授業でできた作品ばかりでした。

今後どのような展開になるのでしょうか。

今回の課題として一番感じたのは、時期の問題です。商店会からは、もう少し長く飾ってもらってもよかった、という声も聞かれました。平日はお店で管理してもよいというので、次年度はそれも考えたいです。また、選択美術の生徒が中心でしたが、いずれ選択の授業は無くなるので運営などをどうするか、という問題も残ります。現時点で考えられることは、作品選択などは授業の一環で行い、展示や案内、キュレーターは美術部員やボランティアという形で生徒から有志をつのって運営するという方法などです。
毎年続ける中で、それぞれの店舗に子どもの作品が展示風景 ユニオン通り商店街常設されるようになるといいと思います。2ヶ月に一度くらいのペースで作品を入れ替え、年に一度は大々的にキッズギャラリーを行うようなことができればいいと思っています。 また、こうした展覧会に興味を持ってもらうことにもなると思うのですが、近隣の小学校に中学生の作品を展示してもらうなどの活動も今後行っていく予定です。

青木孝浩(宇都宮市立一条中学校教諭)

Photos
  • 準備風景 ユニオン通り商店街
  • 作品鑑賞のナビゲートの指導風景
  • 展示風景 「白木屋」
  • 展示風景 ユニオン通り商店街
  • 展示風景 ユニオン通り商店街
  • 展示風景 ユニオン通り商店街
  • 展示風景 ユニオン通り商店街
  • 生徒作品
  • 生徒作品
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