ブックタイトルすぐに使える! 書写のABC【指導のアイディア編】

ページ
10/28

このページは すぐに使える! 書写のABC【指導のアイディア編】 の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

すぐに使える! 書写のABC【指導のアイディア編】

9 8悩ましい筆順と接筆の話 低学年の書写では、ただただ鉛筆で書くだけでは、集中の続かない子も出てきます。フェルトペンや折り紙に書いてみようとしても長続きはしません。そんなときには、モールを使って文字を作らせたり、小石をならべて、文字にしてみたりする工夫もあります。 粘土なら、低学年の子は教室に置いていますから、粘土板の上に粘土で文字を作ることは容易ですよね。毎回やると、書写の時間は粘土の時間と勘違いする子もいるので、要注意です。 まっすぐなストローと、曲がるストローで折れ・折り返しと曲がりの学習ができます。 衛生面で少し心配なところがありますが、箱に砂を入れて、指で書く砂文字は、箱をゆすればくり返し使えます。 格子状にならんだ点を結んで、文字を作ったり、格子状にならんだ釘に輪ゴムで作ったりしているのを見たこともあります。 いずれにしても、その単元やその時間のねらいを印象的に理解するための手立てですので、めあてに合わせて、小道具を準備しましょう。モールなどの小道具を使って 書写を深めていくと、問題になるのが、筆順や接筆です。 筆順はあくまでも文字を整えて書くうえで必要となる、点画を組み立てる順番を、原則に合わせて決められたものです。行書や草書になると筆順が変化する漢字も少なくありません。文字を整えるのにあえて筆順を変えた方がよいと考える子どもがいたとしたら、「それは誤りです。」とは言えないことになるわけです。私は、正しい筆順には基本の筆順としておさえ、異なる筆順も認めていくようにしています(詳しくは「書写のABC  筆順指導編」を)。 また、点画の接筆も不思議な点が残されています。みなさんは「当」や「雪」の「ヨ」の部分の最終画の接筆はどう書いていますか。「 」のように横画が出ますか。「 」のように縦画が出るように接筆しますか。「 」のようにどちらも出さずに、うまくごまかしますか。平仮名の「な」の結びは、平結びですか。三角結びですか。 結論から言うと、どれも正解です。書写の教科書会社が異なると、接筆も異なるものがあるのです。国語と書写の教科書が異なると、異なる場合が出ています。結びの形は、小・中で異なります。そういう現状を把握して、子どもたちに「正しい」筆順や接筆を学ばせていかないといけないのです。 筆順は、カラー粘土を使って、中心線や外形の補助線が入った台紙に、文字を完成させる方法があります。低学年でよく見ましたが、他学年でも取り入れてみてもいいと思います。 IT機器の普及によって、正確性の低い活字文字があふれ、字形や接筆までも乱れている世の中で、手書き文字の温かさはかけがえのないものであります。せめて、書写の時間だけでも、手書き文字であふれた空間を大切にしていきましょう。課題に取り組む前に小道具で楽しく、わかりやすく効率のよい練習時間を子どもたちの日常に書写を課題に取り組む前に小道具で楽しく、わかりやすく効率のよい練習時間を子どもたちの日常に書写を