ブックタイトルどうとくのひろば No.14
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どうとくのひろば No.14
第1回「道徳ってなんだろう?」監修:広島大学大学院教授越智貢執筆:福山平成大学教授上村崇南山大学准教授奥田太郎「権利」「義務」静かにする義務を負う=権利を保障授業を受ける権利静かにする義務を負う=権利を保障図2権利と義務を関係性のなかで捉えよう「権利」「義務」という言葉は社会で日常的に使われていますが,権利と義務の意味と関係を知ることは道徳の授業においても重要であると思われます。授業中に騒いでいる子どもを注意したときに,子どもが「騒ぐ権利」を主張したとしましょう。しかし,教室で授業中に騒ぐ権利は,授業を受けるという正当な権利を侵害することになります。権利は,善悪をきちんと判断し,自分だけではなく他人にとっても正当であると判断されたときに主張されなくてはなりません。また,義務と権利は密接な関係にあります。教室で授業を受ける権利を自分以外のクラスメイトに保障するためには,自分が「教室で静かにしていなくてはならない」という義務を果たすことが求められます。つまり,他人の権利を保障するためには自分が義務を負わなければなりません。権利と義務は人びとが社会のなかで他人に脅かされず幸せを追求して生きていくために大切な理念です。「権利ばかり要求して義務を果たさない」といった揶揄がしばしば聞こえてくるように,権利や義務は個人が単独で担うもののように捉えられがちですが,実は,権利も義務も他人や社会との関係性のなかで捉えられなくてはなりません。「自他の権利を尊重すること」と「義務を負い果たすこと」は,他人や社会を介して初めて適切に結び付けられるのであり,そうした理解のもとでこそ,公徳心や社会の正義を自分のものとして考えることができるのです。(上村)3