ブックタイトルどうとくのひろば No.18
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どうとくのひろば No.18
道徳の教科化を目前にして,中学校で道徳の授業は「何」をどのように意識して行えばよいか。学習指導要領改訂によって求められている「考え,議論する道徳」「アクティブ・ラーニング」「評価」等への取り組みを,担任だけに任せるには限界がある。また,昨今指摘されている「学校の多忙化」の中で,新しい取り組みの研究の時間を捻出するのは,多くの教員の過重負担となる。そこで,中学校における道徳授業実施上の課題を明らかにし,解決方法を模索した中から効果的であった実践を紹介する。まず,道徳の授業について,教師の実態の把握をアンケート形式で行うと,以下のような結果となった。そこで,道徳の授業の課題を解決するために,次の3点を研究の重点目標に掲げた。そして,重点目標を具現化するために,以下の3点の内容を教職員が共通理解した上で,実施することにした。複数教員による道徳の授業には,次の3つの体制が考えられる。それぞれを実施して,生徒や教師の意見を聞き,メリットとデメリットを検証し,効果的な体制を継続して実施することにした。①学級担任TT型学級担任がT1,副担任がT2となる。従来の担任が授業をしているところにT2の教員が加わる。②専任TT型道徳専任教師がT1となり,学級担任がT2となる。学級担任がT1となることもある。③ローテーションTT型学年の教員全員がローテーションでT1となる。学年団の教員を中心に,複数教員がローテーションで組織的に道徳の授業を実施する。愛媛県道徳委員会顧問 西条市立河北中学校 前校長 坂井親治特集1. 中学校での道徳授業の課題中学校の特性上の道徳に関する課題( 勤務校道徳プロジェクト分析による)○「生徒指導・部活動・進路指導」といった,目に見えて必要性があると感じることを優先する。○道徳教育を充実させることによって効果が得られるという認識はあまり見られない。○校長・教員自身が道徳の授業をあまり受けていない。また,授業を十分実施してきていない。○道徳の授業を行う意識が低い。○道徳の授業の仕方がわからない。○生徒も道徳はつまらないと思っている。○担任が関わる授業が限られているため,道徳授業を諸活動の準備の時間などに振り替える。教師が道徳の授業を躊躇する理由○授業方法が分からない。 ○自信がない。○道徳の授業を教師自身が楽しいと感じない。○準備に時間がかかる。○指導効果を実感しない。○話し合いがうまくいかない。○他にすることがたくさんある。○授業をしなくても道徳性は育つ。①教師の授業力の向上②道徳の授業時数の確保③生徒が心待ちにする道徳の授業の実施①複数教員による道徳の授業の実施②道徳プロジェクトチームの設定③生徒の道徳係の設置※時間割編成の際,学校行事,諸活動など必要時数は,教務主任が操作し,各学年で実施時間等の偏りがないように留意する。2. 複数教員による道徳の授業の実施(1)複数教員の指導体制学校全体で組織的に取り組む中学校における道徳科授業~担任の負担軽減とよりよい道徳科授業構築のために~「ローテーションTT道徳授業」のすすめ2