ブックタイトルどうとくのひろば No.21
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どうとくのひろば No.21
現代的な課題「いじめ」を意識した道徳授業の実践横浜市立六角橋中学校 教諭 小森 彦毅平成28 年11 月,文部科学大臣名で「いじめに正面から向き合う『考え,議論する道徳』への転換に向けて」というメッセージが発表された。以来,横浜市では「いじめの未然防止」をより意識した道徳科の実践を行ってきた。(1)年間計画の中の位置づけ本時の内容項目「A 自主,自律,自由と責任」を「いじめの未然防止」として年間計画の中で位置づけている。この内容項目以外でもそれぞれの内容項目に合わせた“ いじめ”を扱った授業を取り入れている。(2)導入について年に2回行っている「いじめ解決のための生活アンケート」の具体的な結果を生徒たちに提示した。生徒自らが教材を通して何を学ぶのかという見通しを立て,問題意識をもち,自分の課題として,解決に向け主体的に学習に取り組むことができるような工夫を行った。(3)多面的・多角的な発問構成① 3 つの発問構成の意図本時の発問構成では,「自分自身」「被害者」「加害者」の3 つの立場で考える構成になっている。このように,それぞれの立場で物事を考えることは,多面的・多角的に考える力を養うことにつながる。②話し合い活動から自己の理解を深める中心発問は十分に時間を取り,周りと話し合う時間を作る。これまでの指導で3 つの立場で物事を考えることができたので,それらについて他の生徒の考えを聞くことで,物事を広い視野から考え,さらに深く自分を見つめることが期待できる。(4)終末に向けての指導展開後段から終末に向けて,導入で提示した「いじめ解決のための生活アンケート」をもう一度提示した。これにより,教材を読む前の自分と,教材を通して学んだ自分との心境の変化を見つめさせることができた。生徒のワークシートから「最初アンケートを見たとき,いじめは少ないなと感じたけれど,この教材のようなひどいいじめを受けていたかもしれないと考えると,多いのではないかなと感じたことが変わった。」などの心境の変化が見られた。本教材の概要[ 教材1]小学生だった22 年前に,クラスの女の子にひどいいじめをした女性は,いじめの加害者だったことを激しく後悔し,「できることなら会って謝りたい。」と思う。新聞社の取材で,いじめられていた子を知っているという人が見つかった……。[ 教材2]その人を通して,加害者の女性の「謝りたい。」という気持ちを伝えたが,相手の返事は「謝ってほしくない。思い出したくない。」であった。22 年の歳月が流れても,いじめはまだ息をしているのだ。1 はじめに2 指導の工夫10