ブックタイトルどうとくのひろば No.23 教科書特集号
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どうとくのひろば No.23 教科書特集号
2019 年2 月某日。小学校道徳の教科化から約1 年がたち,学校の現場はどのように変わったのか。今後どうあるべきなのか。また,そのために教科書をいかに活用すればよいのか。『小学道徳 生きる力』の編集委員の先生方に熱く語っていただきました。服部先生●「考え,議論する道徳」の,「議論」の部分に重きを置いた授業になってきたように思います。大原先生●校内研究で道徳科を取り上げる学校や研修会をやろうという学校が増えました。必然的に研究授業の回数も増えているようです。島先生●「どうすれば子どもが喜ぶ魅力的な授業になるか」と考える先生が増えてきました。「わかりきったことや読み取りになってはだめなんだ」と思いながら授業をされています。「職員室で道徳の話題がたくさん出るようになった」とも聞きます。回数が増えて子どもが楽しみにするようになって,「子どもは道徳が好きなんだとわかった」という話も聞きました。宮里先生●発問が変わってきたなと感じます。心情を主に聞いていたのを,この局面で一番ねらいに迫れるのはどこかということをずいぶん練るなど,先生の姿勢がすごく変わってこられたと感じます。子どもたちも考えることが楽しいと。小寺先生●意識は変わったでしょうね。進んでやるというより「しなければならない」「せざるを得ない」という意識ですけどね(笑)。一方で,教科書があるから「それを使ってその通りに前から順番にすればいい」というふうに捉えてる先生もいると思います。藤永先生●教科書ができて,時数確保の面での進展が大きいなあと感じます。また,教材の差し替えについてよく聞かれます。原則差し替えられないけれども,より効果的だと思う場合は,校長の了解を得て教育委員会に届け出るというふうに運用しているようです。服部先生●道徳科は年間指導計画を学校ごとに比較的自由に作れるので,教科書の教材以外のものを自由に入れこんでもいいというイメージがあります。しかし,私は去年まで校長をしていましたが,そのときは教科書を前から順番にするように言っていました。小寺先生●教科書は,季節も考えて作ってあるから。服部先生●そうですね。それに差し替えたからといってそんなに効果的ではない場合もあると思うからです。島先生●今までなら難しい教材のときに,他の教材をポンと持ってきたんだけれども,教科書になってそれができなくなった。そこが苦労というか,悩むところだと思いますね。服部先生●やりにくい教材に対して「どうすればいいのか」という気持ちにもなるけれど,そこから逃げな2020 年の小学校道徳に向けて,6 人の著者による座談会を開催!いで取り組めば,自分も少しは成長しますよね。ちょっと読んで「これは無理」「難しくてできない」「わけがわからない」などと言って安易に差し替えていたら,すぐ違うものに手を出したりつまみ食いしたりする癖がついてしまう。宮里先生●差し替えとは違うんですけれど,他社の教材で,最後の1 ページを全然扱わない授業がありました。理由を伺うと,「あの部分を扱うと子どもたちもわからないと思ったので」と。「あそこが一番大事なところですよ。教材の意味や主題に対して描かれているので,あの部分こそやらないと新しい考えに至らないと思いませんか」と言うと,「ああ,そういう意味ですか」と。子どもが混乱しそうなところを避けてしまうと学びにならないということもありますよね。小寺先生●そういう事例はあると思いますね。おっしゃったように,難しいことをどのように処理するかが乗り越えられたら,どんどん新しいことに取り組めると思います。今まではあまり手をつけなかったけど,やり始めて,おもしろいな,やりがいあるなと思う人がおそらく出てきてる。これからどんどん増えてくるんじゃないかな。宮里先生●「道徳がおもしろい」という声が出てきたと思いますね。小寺先生・島先生●●うん。そうそうそう。特集1 2020年の小学校 道徳はどうなる?「今回の表紙もいい写真が撮れましたね。」(宮里先生)難しい教材は差し替えてもよい?小学校道徳の教科化から約1年,授業はどう変わったのか2 3