ブックタイトルどうとくのひろば No.23 教科書特集号
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どうとくのひろば No.23 教科書特集号
挨拶はことばのスキンシップ〇職場体験に 積極的になれない◎店長さんが伝え たかったこと〇お客さんの「ありがとう」→じわっとうれしさがこみあげてきた。・私もうれしい。・疲れがとんだ。・自分も言おう。・感謝の気持ちが大切。 ・心のこもった挨拶は相手も自分も気持ちがよい。・笑顔など態度も考えると相手との関係もよくなる。・お礼がうれしかった。・働くイメージがわいた。・言葉づかいの大切さがわかった。・面倒だ。 ・不安。職場体験学習のとき実践の結果,自分たちの体験活動と関連づけて具体的に考え,生徒相互の対話が活発になり,自己の見方や考え方が深まった。感想文などからは自分自身の成長を実感する記載が多く見られ,評価することができた。また,導入・終末段階で職場体験学習の様子の写真を提示することは効果的であった。意図的に体験活動と関連させて道徳科の授業を実施することによって,道徳的実践意欲と態度が育成され,道徳科で道徳的価値の自覚を深めさせることができたと考える。また,教材を活用する際に,生徒の体験活動を盛り込むなどの工夫をすることにより,自分自身の体験と重ねながら考えることができ,さらに道徳性が高まると感じた。授業の中でも生徒は,自分自身の成長を実感している様子が見られた。さらに日常の生活の中で,積極的に挨拶をするのはもちろんだが,笑顔で相手に正対し,適切な言葉がけをするなど,挨拶の仕方にも変化が見られるようになった。新学習指導要領では,カリキュラム・マネジメントが求められるため,学校の教育活動全体で行う道徳教育での「豊かな体験」と道徳科での指導を関連づけることがますます重要になる。生徒は,「豊かな体験」を通して気づく様々な道徳的価値から深く考えることができ,その結果,道徳性がより確かに定着する。道徳科の授業では,職場体験活動やボランティア活動,自然体験活動などの体験活動を生かし,心に響く多様な指導の工夫に努めることが大切であると考える。このことから,道徳科の授業と「職場体験学習」の体験活動を関連づけた実践事例を紹介する。道徳科の授業に職場体験学習についての教材を取り上げることで,生徒たちに自らが行った職場体験学習の追体験をさせることができる。生徒たちは自己の気持ちを具体的に振り返ることができ,さらに他の生徒の発言を聞くことによって,考え方や感じ方にふくらみや広がりができる。職場体験学習における達成感が,内面に根ざした道徳性をよび起こし,さらに職場体験学習が自らの生き方に直接関わることを実感することで,生徒自身の内面から道徳性が生じてくることが期待できるのである。渋谷区では,職場体験学習は「総合的な学習の時間」に実施している。そこで,本授業は「体験活動」のみではなく「総合的な学習の時間」との関連も考慮して行った。「総合的な学習の時間」においては実践的なことがらが中心となるが,それだけでは有意義な「体験活動」にはならない。総合的な学習から生まれた「自己の生き方の探求」と道徳科の授業で育成された「道徳性」が結びついてはじめて有意義な「体験活動」に発展するのである。これによって,生徒たちの道徳的行為に向かう意欲や態度が育成されるだろう。自ら道徳性を形成することで,希望をもって生きることができるようになると考える。学習活動(◎中心発問,○主な発問,・予想される生徒の反応) ◇指導上の留意点,◆指導上の工夫導入1職場体験学習の写真を見て,職場体験学習を思い出す。◆実際の職場体験学習のときの写真を電子黒板などで提示する。◇ただ単に思い出すのではなく,ねらい「礼儀の意義」「時と場に応じた適切な言動」に沿った学習活動になるようにする。◯ 職場体験学習でどんなことを感じたか。・おじいさんにお礼を言われてうれしかった。・園児がかわいかった。将来働くことをイメージしやすくなった。・言葉づかいが大切なことがわかった。展開2 教材「挨拶はことばのスキンシップ」の範読を,自分の職場体験学習を思い出しながら聞き,考える。◇心を込め,静かに範読する。◇小グループに分け,個々にワークシートに記載させ, 記載内容をそれぞれに発言させる。◯ どうして,「わたしは」職場体験学習に積極的になれなかったのか。・面倒だから。・体験先の人は怖くないか,など不安に思った。○お客さんに「ありがとう」と言われて,じわっとうれしさがこみあげてきた「わたし」は,どんなことを感じたか。・私だってうれしいと思った。疲れがとんだ。・自分がお客さんのときには,言おうと思った。◇考察した内容を相互に言い合う。時間があれば,店長・生徒に分かれた役割演技を行う。発言のルールに則り,互いの考察内容を尊重する雰囲気をより高める。◎店長さんが,職業人として二人に伝えたかったのはどんな思いか。自分の体験を振り返りながら考えてみよう。・客商売は感謝の気持ちがお客さんを呼ぶ。・心のこもったあいさつは,相手の気持ちをよくするし,自分の気持ちもよくなる。・言葉だけでなく,笑顔などの態度も考え,実行すると,さらに相手との関係がよくなり,自分もうれしくなる。◇自らの体験を踏まえて発言するように促す。◇自分の職場体験学習や,学校・日常の生活と結びつけて考察させる。終末3 自分の職場体験学習を振り返って,本時の感想を書く。◆再び職場体験学習のときの写真を掲示する。◇自分の職場体験学習と結びつけて考えたことを評価に生かし,本時の学習活動を生かし,自己の今後の生き方につなげ,まとめる。「体験活動」との関連に重点をおいた指導方法渋谷区立松濤中学校 主幹教諭 大内弘全内容項目:B「礼儀」心を形に礼儀の意義を理解し,時と場に応じた適切な言動をとることができる。挨拶はことばのスキンシップ(『新 あすを生きる2』日本文教出版)展開例主題名教材名ねらい職場体験学習職場体験学習のときの写真職場体験学習のときの写真3 まとめ1 はじめに2 職場体験学習(総合的な学習の時間)と道徳科の授業電子黒板24 25