ブックタイトルどうとくのひろば No.24
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どうとくのひろば No.24
西多摩郡日の出町立大久野小学校 主任教諭 鈴木千栄展開例学習活動(◎中心発問,○主な発問,・予想される児童の反応) ◇指導上の留意点 ☆評価の観点導入1本時の課題をつかみ,教材への関心をもつ。◇価値について触れ,この時間の課題をつかませる。ノートに現段階での考えを書かせる。◇「あなたにとって」という発問で,自分ごととして考えさせる。○今日は命について考えていきましょう。あなたにとって「命を大切にする」とは,どのようなことなのでしょうか。展開2 「 ヒキガエルとロバ」を読み,話し合う。 ◇場面絵を画面に映したり,BGMを流したりして,教材に入り込みやすくする。◇ふざけ半分でヒキガエルに石を投げつけたり,命の尊さに気づかず,より残酷な行為を楽しんでいたりしているアドルフたちの気持ちに気づかせる。(相互指名・意図的指名)○アドルフたちは,どんな気持ちでヒキガエルに石をぶつけたり,ロバが荷車をひいてやってくるのを見ていたりしたのでしょう。・よくも驚かせたな。・もうすぐひかれるぞ。・石をぶつけるより,こっちの方がおもしろそうだ……。○くぼみの中でじっとしているヒキガエルを見つめるロバは,どんな気持ちになったでしょう。・かわいそうに。・助けてあげるよ。・命だから守らなければ。◇自分も苦しい立場にありながら,ヒキガエルを助けようとするロバの気持ちを考えさせる。◇ロバの気持ちに共感させ,多面的に考えさせる。(相互指名・意図的指名)◎くぼみの中のヒキガエルと遠く去っていくロバを見つめながら,アドルフたちはどんな気持ちになったでしょう。・ロバはすごい。・ぼくたちは,ひどいことをした。・ヒキガエルもロバも一生懸命に生きているんだ。◇命の大切さに気づいたアドルフたちの気持ちに共感させるようにする。◇小集団(3人組)で話し合い,全体で話し合う。☆アドルフたちの気持ちに共感できたか。(話し合いの様子・発言)3 自分を振り返る。◇ノートに自分の考えを書かせる。導入で書いた自分の考えと比べさせる。(意図的指名)☆生命がかけがえのないものであることや,生命の尊さについて考えを深めることができたか。(ノート・発言)○あなたにとって「命を大切にする」とは,どのようなことなのでしょうか。・どんなに小さな命でも大切にする。・自分勝手な行動で命を粗末にしない。・命を守る。終末4 教師の説話を聞く。◇生き物の命には限りがあり,生きているときの時間が貴重で,失った命は二度と戻らないと実感したことを話し,余韻をもたせる。(1)問題解決的な学習の工夫答えが一つではなく,正解が存在しない問題について,多面的・多角的に考え,児童が主体的に自分ごととして考えられるよう課題を設定した。本時では,「『命を大切にする』とは,どのようなことなのだろう。」という課題を解決していくために,教材を通して価値について考えた。展開後段では,その答えを一人ひとりがもつことができるように展開した。(2)話し合いの工夫・小集団(3 人組)での話し合い。・相互指名での話し合い。・意図的指名での話し合い。・話し合いやすい机の配置の工夫。なかなか考えがまとまらない児童や発表が不得手な児童にとっても,小集団での話し合い活動をすることで自身の意見もまとまり,発表への自信をもてるようになってくると考える。小集団の意見をまとめるために話し合うのではなく,児童一人ひとりが考えをもてるようになることが目的である。小集団での話し合いの場を設けることにより,自分の考えや思いを伝え合うことができ,それにより,考えが広がったり深まったりすることもある。全体では相互指名をしたり,意図的指名をしたりして考えを共有し合い,価値について深めさせていく。また,本時では机を「コの字型」に配置し,互いの顔が見えやすいようにした。(3)書く活動の工夫書く活動を取り入れ,考える時間を十分に確保する。書くことで自分の考えをもち,表現することができる。導入時と展開後段で取り入れることで,自分ごととして価値について考えさせるとともに,児童も教師もその変容を見取ることができ,評価につなげることができると考える。また,ノートを継続して使用することで,1年間の記録となり変容も見取ることができる。(4)教材提示及び展開の工夫教材提示に際しては,効果的な場面絵を画面で提示したり,BGMを流したりすることにより,教材への共感を高める工夫をする。教師が教材を読むときは,ゆっくりと表現豊かに読む。また,本時の板書は,中心発問が中央に来るようにレイアウトを考えた。発問で,ヒキガエルの生命に無頓着な子どもたちの心情を明らかにする。アドルフたちの心情を追って展開していくが,多面的に考えさせるためにも,ロバの気持ちや,石をぶつけられているとき,くぼみに逃げ込んだとき,ロバがよけていったときなどのヒキガエルの気持ちも,補助発問として用意しておくとよい。自分ごととして考えることのできる授業の実践課題意識をもたせる授業展開内容項目 : D「生命の尊さ」大切な命くぼみの中のヒキガエルと,遠く去っていくロバを見つめるアドルフたちの気持ちを考えることを通して,命あるものすべてを大切にしようとする心情を高める。ヒキガエルとロバ主題名 教材名 (『小学どうとく 生きる力4』日本文教出版)ねらい指導上の留意点及び指導の工夫10 11