ブックタイトルこれからの道徳科の授業と「道徳ノート」の活用

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概要

これからの道徳科の授業と「道徳ノート」の活用

 「道徳教育に係る評価等の在り方に関する専門家会議」の「評価の基本的な考え方」の要点をまとめると,上図②の内容になります。 そして,「道徳科の評価の在り方」には,・道徳科で育むべき資質・能力の三つの柱(「知識・技能」:道徳的価値の理解,「思考力・判断力・表現力」:物事を多面的・多角的に考え,自己の生き方についての考えを深める,「学びに向かう力,人間性」:自己を見つめ,自己の生き方についての考えを深める)や道徳的判断力,心情,実践意欲と態度のそれぞれについて分節し,観点別評価を通じて見取ろうとすることは,道徳科の評価としては妥当ではない。・個々の内容項目ごとでなく,大くくりなまとまりを踏まえた評価をする。・他の子どもとの比較による評価ではなく,成長を積極的に受け止め,認め,励ます個人内評価として記述式で行う。・特に,学習活動で子どもが多面的・多角的な見方へと発展しているか,道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているかを重視する。などが挙げられています。 さらに,評価について次の二つの点が示されています。①他者の考え方や議論に触れ,自律的に思考する中で,一面的な見方から多面的・多角的な見方へと発展しているか。②多面的・多角的な思考の中で,道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているか。 つまり,これからの道徳科の評価は,子どもの学習状況や道徳性を観点別に評価するのではなく,個人内評価として,主に上記の二つの点に注目して行うことになります。 そのためには,道徳科の授業で,子どもの学習状況や道徳性に係る成長の様子を,発言や感想文,質問紙の記述などから見取る,あるいは書いたり発表したりすることが苦手な子どもについては,人の意見を聴きながら考えようとしている姿勢や表情などから見取り,肯定的に評価することが大切です。 これまで,述べてきた道徳科の授業の在り方や指導方法,評価等において,書く活動はとても重要な役割をもっています。 それは,「考える道徳」「議論する道徳」を進めるにあたって,子どもたちがねらいとする道徳的価値としっかり向き合ったり,教師が子ども一人一人の学習状況を把握したり,家庭との連携を強くしたりする媒体とすることができるからです。 ここからは,教科書別冊としての「道徳ノート」について,編集の意図や構成,そして道徳科の授業での活用など,具体的な活用の仕方について紹介します。?「 道徳ノート」編集の意図 日本文教出版の「道徳ノート」は,次のような考えをもとに編集されています。〇子どもにとって・自分の考えや,友達の考えを書き込むことで,多面的・多角的な見方や考え方に気付く。・自分自身の成長の記録となり,手元に残る。・「考えて書く」実践の積み重ねが言語活動の充実につながる。〇教師にとって・道徳科の授業での子どもの道徳性の成長の様子や学習状況を継続的に把握することができ,子どもを理解する手立てとなり,指導や評価に役立つ。・別冊にしているため,子どもたちが「道徳ノート」を教師に提出しやすく,教師にとっては,書かれた内容の確認や返却が簡単になる。〇保護者にとって・保護者記入欄を活用することで,家庭と学校とが協力して子どもの道徳性を育てることに役立つ。2.「道徳ノート」の活用図②評価の基本的な考え方・評価とは,子どもの側から見れば,自分の成長を実感して意欲の向上につなげていくものであり,教師の側にとっては,指導計画や指導方法の改善・充実につながる資料になるものである。・道徳科の評価においても,指導の効果を上げるため,学習状況や指導を通じて表れる子どもの道徳性に係る成長の様子を,指導のねらいや内容に即して把握する必要がある。・道徳科の評価は,子ども一人一人の道徳性に係る成長を促すとともに,学校における指導の改善を図ることを目的としており,他者と比較するためのものではない。116 日文 道徳137文部科学省検定済教科書小学校道徳科用日本文教出版しょうがく どうとく日本文教出版しょうがく どうとく4