ブックタイトルこれからの道徳科の授業と「道徳ノート」の活用
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これからの道徳科の授業と「道徳ノート」の活用
「今日は,はじめに先生がお話を読んでくれて,みんなで話し合って,最後に先生が子どもの頃のお話をしてくれた。」という授業の説明のようなことを書いてきたらどうでしょう。 これでは,道徳科の授業に楽しく参加したということは推測できるにしても,授業のねらいとの関わりで子どもの思いや考えを捉えることはできません。 したがって,書く活動によって,子ども一人一人が,ねらいとする道徳的価値とどのようにじっくり向かい合うことができるか,ということを考えて取り入れることが必要になります。 また,これまでの道徳の時間の授業では,次のような授業も散見されました。 例えば,導入で,ねらいとする道徳的価値に関わって,これまでの生活経験を思い出して書き,その他に読み物教材の場面ごとに登場人物の心情や考えを書く,そして最後に授業の感想を書くようになっているといったワークシートを使う授業です。 このように1時間の授業の中で,書く活動が何回もあったり,ワークシートでたくさん書く分量を求められたりする道徳の授業を進めてしまえば,書くことへの拒否感をもってしまうことでしょう。 ましてや毎回の授業が,何回もたくさん書かなければならない授業であったとしたら,子どもたちにとって,もはや苦痛にも近い,「道徳嫌い」の意識を育ててしまうことにもなりかねません。 したがって,1時間の道徳授業で,書く活動に取り組ませるのは,基本的には1 回と考えることが望ましいでしょう。あるいは,どうしてもという場合でも,多くて3回が限度であろうと考えられます。それくらい書く活動は丁寧に時間をかけて扱いたいものです。「道徳ノート」は,書く活動を最大限取り入れた授業に対応できるように編集しています。 そこで,大切にしたいのは,「授業のどこで,何を書くのか」ということです。 それには,書く活動をより効果的に進めるために,主に次の二つのことが考えられます。① 登場人物の行為などを自分事として捉え,道徳的価値に照らして,その時の思いや考えを書かせる。② 教材でねらいとする道徳的価値について,話し合い,考え合い,考えを深め合った後の自分の生き方についての思いや願いについて書かせる。 ①では,「展開」の教材を基に登場人物に託して,ねらいとする道徳的価値について深く考え自分を見つめる段階(「展開前段」とも言われる)で書く活動が考えられます。一番時間を使って深く考える「中心発問」に関わって書かせるということです(図⑥の①)。 ②では,教材を通して自分事として深く考えた後,道徳的価値に関わって,自分自身の生き方について考えを深める段階(「展開後段」とも言われ,過去,現在,未来など,自分の生き方を考える段階)での書く活動が考えられます(図⑥の③)。 どちらにしても,何を書いたらよいのかが子どもたちにわかるよう,明確で短い言葉で指示する(発問する)ことが大切ですし,書かせる分量は子どもたちの発達の段階や実態に合っていることも大切です。 また,ねらいとする道徳的価値について自分の考えを深めようとするとき,「話合い」や「考え合い」の中で友達の考えと比べながら,感じたり考えたりしたことを書くということも考えられます。友達の考えについて書く場合は,じっくり書く時間を設けず,「子どもが友達の意見を聞きながら考えたことを,主体的にメモしながら考える」という扱いもできます。 別冊「道徳ノート」は,教材を通して考える中心発問の場面と,教材で理解した道徳的価値に関わって自分自身の生き方についての考えを深める場面の二つに書く活動を取り入れることに加え,友達の考えも書くことができるよう編集されています(図⑥の②)。 前述のようにじっくり考えるということを踏まえると,この三つを全て使わなければならないということ①1時間の授業を計画する段階で,子どもたちの道徳性を養うために書く活動を取り入れることが効果的であると判断したときに書かせる。②すべての授業で使わなければならないというものではない。③一時間の道徳授業で,書く活動に取り組ませるのは,基本的には1回と考えることが望ましい。④一番時間を使って深く考える「中心発問」に関わって書かせる。⑤道徳的価値に関わって,自分自身の生き方について考えを深める段階で書かせる。図④「道徳ノート」活用のポイント6