ブックタイトル中学道徳 あすを生きる 『道徳ノート』を活用した評価実践例

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中学道徳 あすを生きる 『道徳ノート』を活用した評価実践例

●評価の視点の例(解説pp.112~114)視点①一面的な見方から多面的・多角的な見方へと発展しているか視点②道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているか※これらの視点はあくまでも例示で,他の視点も考えられます。4 5  評価文の構成例評価の根拠や基本的な考え方,留意点をもとに,どのように評価を書けばいいのでしょうか。最近,多くの学校で例示されているのは,次のような構成の評価文です。  評価は生徒や保護者に届ける意識で上記の構成で評価を書く場合,指導要録には前半のみを,通知表には前半+後半を記述するとよいでしょう。これは,一つには指導要録と通知表の同一性を確保するためです。そして,道徳科の評価は生徒の成長の振り返りであり,道徳性を養う支援であるため,生徒や保護者に届ける通知表の記述にはより具体的で温かな触れ合いが大切だからです。そのため,難しい教育用語ではなく,伝わりやすい記述を工夫しましょう。また,個人面談や懇談で保護者と共有し,「先生はこんなところまで見てくれたんだ。」と感じてもらえるような記述にしましょう。  学期ごとに評価する場合は地域や学校によっては,学期ごとに評価を書くところもあるでしょう。その場合は,1学期から3学期へ道徳科の学習を重ねる中で生徒が成長している様子が感じられるように書くと,さらによい評価になります。評価には,日々のちょっとしたメモの積み重ねなど,評価のための資料を集める工夫が必要です。次ページでは,どのように評価のための資料を集めて蓄積し,見取っていけばよいかを見てみましょう。  『道徳ノート』を活用しよう評価のための資料として,まずは『道徳ノート』が挙げられます。『道徳ノート』は,生徒自身の成長の記録であり,生徒の思考の流れや深まりが一つにまとまったものだからです。授業中の観察なども織り交ぜて評価の資料を蓄積していきましょう。  生徒の自己評価を大切に 生徒にとって納得感のある評価にするためにも,生徒の自己評価との関連を考えることが大切です。そのために,『道徳ノート』の各ページ下にある「自分への振り返り」(自己評価欄)を活用しましょう。毎時間の積み上げで,生徒自身にとってどの学習が印象深かったかなどの学習状況を見取ることができます。ただし,自己評価の内容を数値化するなどしてそのまま評価に反映しないようにしましょう。また,『道徳ノート』の巻末にある学期末・年度末の振り返り欄を活用すると,その学期に生徒自身が感じている成長の様子を把握でき,評価の中に具体例を書くときに役立ちます。  どんな記述や発言などから見取ればよいか 『道徳ノート』の記述や授業中の発言,姿から見取る際は,評価の視点の例をもとに生徒自身が感じている成長の様子がわかるところに着目しましょう。? 具体的な評価文の書き方? 評価のための資料の集め方と見取り方学期ごとに評価する場合の記述例●1学期 教材の登場人物の思いや考えをよく理解しようとする姿勢が見られました。中でも「○○」の学習では「●●」と発表し,素晴らしさを感じました。●2学期 どの教材でも自分に置き換えて考え,友達のさまざまな意見にも耳を傾けていました。たとえば「△△」の学習では自分自身を振り返り,「▲▲」という記述が見られました。●3学期 授業では意見を単に発表するだけではなく,新たに気づいたこと,友達との違いも発表し授業を活発にしてくれました。特に「□□」の学習では,「■■」と述べるなど,個性ある意見に感心しました。前半:大くくりのまとまり道徳科でどのような学習状況や道徳性に係る成長の様子が見られたか,内容項目ごとではなく,また授業1時間ではなく学期や年間といった一定の時間的なまとまりの中で見取って記述する。後半:具体例前半の具体例(生徒の学習状況や道徳性に係る成長の様子が見られた顕著な例)として,どのような思いや考えをもてたのか,深められたのかを,生徒の発言・記述など観察可能なことをもとに記述する。道徳科の評価文の構成例自分の考えを素直に表現しながら,自分と違う考えも大切にしようとする姿が見られるようになりました。              (48 字)特に「言教材名葉の向こうに」の学習では,「ネットでは相手の顔が生徒の発言・記述などから引用見えないので,お互いに相手の考えや気持ちを想像して発言することが大切」と書き,インターネット上での相互理解について考えを深めていました。          (96 字)生徒の記述や発言,姿など見取り方の例 Aさんの意見はすごいと思った。やっぱりAさんにはかなわないなあ。→視点①に関わって,自分と違う立場や感じ方,考え方などを理解しようと  している。 思いやりは,ただ相手を大切にするだけじゃなくて,さりげなくすることも大事なんだと思った。→視点①に関わって,道徳的価値についてさまざまな視点から捉えて考えよ うとしている。 自分はせまい考え方だったなあ,と感じました。→視点①,②に関わって,他の考え方に触れることで,自己を見つめ現在の 自分を振り返り,自らの考えを見直している。 これからは,もっと大きな考えをもっていこうと思いました。→人間としての生き方についての考えを深め,これからの自分の生き方に生 かそうとしている。 自分にも主人公と似たことがあったけど,主人公と同じようにはできなかった。→視点②に関わって,登場人物を自分に置き換え,自分のこれまでの体験か ら感じたことを重ねて考えている。 (姿)積極的な発言はなかったが,友達の意見を真剣に聞き,「難しいな」とつぶやき考え込む様子が見られた。→視点②に関わって,道徳的価値を実現することの難しさを自分のこととし て捉え,考えようとしている。授業中の観察 発言,表情,姿勢などから「Aさんは友達の意見を真剣な顔でよく聞いているな。」 発言の少ない生徒や記述が苦手な生徒を中心に記録しておくと,あとで参考にしやすいです。TTの場合は授業者以外の先生にメモしてもらうとよいでしょう。 また,観察したよい点を生徒の『道徳ノート』に添え書きとして残しておくことも有効です。授業後のチェック 『道徳ノート』の記述や,書くのが苦手な生徒は個別の聞き取りなどから「B さんは,自分のこととして考えて記述しているな。」学期末,年度末のチェック 学期末の振り返り欄などから「C さん自身は,『○○の授業でよく考えた。』と書いているな。その授業のときの『道徳ノート』を確認してみよう。」『道徳ノート』を活用した評価の流れ『道徳ノート』の自己評価欄『道徳ノート』の学期末・年度末の振り返り欄指導要録通知表自分への振ふり今日の授業友達の意見新しい発見自分の考えこれから大2 自分への振ふり返り ○印をつけよう。今日の授業の内容は 印象に残った印象に残らなかった友達の意見や話し合いから,新しい発見や気づきが あったなかった自分の考えを深めることが できたできなかったこれから大切にしたいことが わかったわからなかった誰だ千せる努力は簡単にできることだろうか。努力をするために大切なことはなんだろう。漫まん画がを描かくうえでのさまざまな困難にも負けず,高たか橋はしさんはなぜ努力できたのだろう。1 教科書 2 6 ~10ページ困難を乗り越こえる力サッカーの漫まん画がを描かきたい友達の意見や話し合いをメモしよう。友達の意見?????????????????????????????????????????????????? 40印象に残った学習と,なぜ印象に残ったのかを学期末などに書きましょう。道徳の学習で学んだことを書いてみよう    月 日◆ 保護者記入欄    月 日    月 日◆ 保護者記入欄◆ 保護者記入欄???????????????????????????????????????????????? ????????????????????????????????????全体で100~150字程度