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概要

中学社会 実践ファイル

歴史的分野モンゴル帝国が日本に攻めて来たのはなぜ?●札幌市立もみじ台中学校校長 兼間 昌智~新学習指導要領を先取りする~ユーラシアの中で起きた元寇発問例 新学習指導要領中学校社会科では,さまざまな改変が行われた。見方・考え方が獲得する要素から,課題を追究したり解決したりする視点や方法に変わった。歴史での見方・考え方は「社会的事象を,時期,推移などに着目して捉え,類似や差異などを明確にし,事象同士を因果関係などで関連付け」て捉えるものとした。さらに「中世の日本」の単元では,現行学習指導要領の「我が国の中世の特色を,世界の動きとの関連に着目して学習させる」に対して,新学習指導要領は「鎌倉幕府の成立,元寇などを基に,武士が台頭して主従の結び付きや武力を背景とした武家政権が成立し,その支配が広まったこと,元寇がユーラシアの変化の中で起こったことを理解すること」とし,日本の武家政権の発足が,単に日本国内だけではなく,ユーラシアの動きの中の一つとして捉えさせることが求められた。また,元寇については,モンゴル帝国の拡大によるユーラシアの動きと結び付け,地理的な確認をもとに,元の君主が帝国全体の君主であったことなどを踏まえ,モンゴル帝国がアジアからヨーロッパにまたがる広大な領地を支配し,東西の貿易や文化の交流が陸路や海路を通して行われたことなどに気付くことができるようにすると,より踏み込んで世界史と関連付けることを強調している。 本単元では,モンゴル帝国の成立と広がりを学習したのち,元の襲来を学習する。また,元軍を退けた武士たちが,その後なぜ落ちぶれ,幕府の支配がゆらいだのはなぜかを考察させることで,中世世界がもつ本質に迫る追究が図られるのである。なお,本時は平成27年検定済み日本文教出版『中学社会歴史的分野』教科書P.72-73 に位置するが,見開きタイトルを「ユーラシアの中で起きた元寇」に変更して展開する。板書のPoint支配  交通の整備異文化の交流1274 年 文永の役1281 年 弘安の役海上で暴風雨モンゴルチンギス=ハン金は二度と借さない恩賞は少ない(御家人)生活は苦しくなる不満生活を救う借金質入南 宋フビライ=ハン元(大都)モンゴル帝国①海外からの攻撃(防衛戦)②幕府は勝利したが新たな土地を得たわけではない国国国高 麗幕 府幕 府武士高利貸徳政令支配貢物貢物攻撃貢物支配 貢物元寇元寇の特徴朝貢を要求拒否 攻撃大軍撤退撤退モンゴル帝国の範囲を地図帳で確認してみよう。~どれぐらいの大きさなんだろうか~モンゴル帝国が日本に攻めてきたのはなぜだろうか?  ~幕府と元とのやり取りに注目してみよう~モンゴル帝国が周辺の国々に対して支配していった様子を黒板に表す。元→高麗→幕府の関係や幕府→御家人→高利貸の関係のように,どのように繋がっているのかがわかるように工夫して板書する。徳政令が出たのになぜ御家人の生活は改善できなかったのか本日の授業で,封建制度の中の矛盾が次回の幕府崩壊,建武の新政に繋がるように板書を印象づける。徳政令が出たのになぜ御家人の生活は改善できなかったのだろうか?支配4