ブックタイトル中学社会 新しい学習評価のポイントとは

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中学社会 新しい学習評価のポイントとは

日文 教授用資料令和2年(2020年)3月31日発行CD3359中学社会 新しい学習評価のポイントとは新しい社会科では,学習のまとまりをどのように考え,どのようなタイミングで評価を行ったら効果的でしょうか。新しい社会科では,「視点(概念)→問い→考察・構想→知識」という知識を作り出すプロセスが重要になります。これまでのような個々の社会的事象の事実を羅列的に記述する評価では,細かいたくさんの知識が独立しているので,その一つ一つについて習得を確認する必要があり,常に小テストで暗記確認をしてきました。 新しい学びでは,知識はこの生産プロセスにしたがって体系化された大きな塊になっていきます。授業で扱う個々の事象についての知識は,それ自体が目的ではなく,知識を作り出すプロセスに必要なピースとしての意味を持つことになります。したがって,学習のまとまりは,このような知識を作り出すプロセスに関連づき,体系化された知識のまとまりと考えることになるでしょう。評価も,このようなまとまりを単位として行うことが多くなるでしょう。 生産される知識が,例えば「幕藩体制の構造的特徴と弱点」といったような多くの事象を包み込むようなものであれば,学習のまとまりは大きなものになります。しかし,このような知識のまとまりも,その下位のまとまりをいくつか持つ場合も多いでしょう。評価のタイミングも,このまとまりの規模に応じて行うのが効果的です。改善等通知*の[学習評価の改善の基本的な方向性]のなかに,「これまで慣行として行われてきたことでも,必要性・妥当性が認められないものは見直していくこと」とあります。具体的にはどのようなことでしょうか。改善の視点として,以下のことが考えられるでしょう。「指導と評価の一体化」について,授業の中で子どもの学習状況を丁寧に把握(評価)することは大事だとしても,毎時間の授業で評定のための材料を集める必要はあるのかどうか。「観点別評価」は,プロセスの評価だというので,平素の授業態度やノートの記述,議論する姿を主な評価材料としてよいのかどうか。 毎時の授業が「指導の評価化」に陥っては,教師の負担が増えるばかりか,授業の質としても本末転倒。そうならないためには,評価を意識しながら指導を行い,その結果として育てられたものが試されるよう,テスト自体を工夫する,レポートや作品など,テスト以外の「総括的評価」の課題をより充実させるといった改善への取り組みが大切です。*平成31年3月29日「小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等にお ける児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について」(改善等通知)棚橋石井棚橋石井棚橋石井棚橋石井