ブックタイトル中学校数学「データの活用」新教材の指導の手引き
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中学校数学「データの活用」新教材の指導の手引き
14 日文 教授用資料箱ひげ図の特徴として,多数のデータの分布の傾向を比較しやすいという点が挙げられます。しかし,そのためには,まず,箱ひげ図のしくみを理解し,1 つの箱ひげ図からデータの分布の情報を正しく読み取ることができることが前提となります。ここでは,1 つの箱ひげ図の見方の指導について述べます。1.1つの箱ひげ図の見方の指導2018 年の福岡の猛暑日(1 日の最高気温が35℃以上の日)は16 日でした。これは,例年に比べて「少ない」「ふつう」「多い」のどれといえるでしょうか。この疑問に答えるために表1 を用意しました。これは,1998 年から2017 年までの20 年間に,福岡で猛暑日が何日あったかを1 年ごとに示したものです。この20 年間の福岡で,猛暑日が最も少なかったのは2009 年で0 日,最も多かったのは2013 年で30 日,このデータの範囲は30 日です。この場合,「16 日は0 ?30 日のおよそ真ん中だから『ふつう』といえる」という考えは妥当でしょうか。「ふつう」という意味で使われる気象用語に「平年並み」があります。気象庁では,過去30 年間(2019 年現在では1981 年?2010 年が対象。2021 年になると1991年?2020 年というように10 年ごとに更新される)の気象データの値30 個を小さい順に並べ,小さい方から11 番目から20番目までの値10 個が分布する区間を「平年並み」と定義しています。3 等分か4 等分かの違いはありますが,ここでは箱ひげ図の箱の部分を「ふつう」として考えてみることにします。つまり,箱ひげ図をかいて,その値が箱の部分にあてはまるのであれば「中央値付近の約50%にあたるから『ふつう』」,左のひげの部分にあてはまるのであれば「少ない方の約25%にあたるから『少ない』」,右のひげの部分にあてはまるのであれば「多い方の約25%にあたるから『多い』」と説明するのです。この「少ない」「ふつう」「多い」の基準は「平年並み」のように一般的に使われているものではありません。しかし,必要に応じて自分たちで基準を決めるということも大切です。中2 箱ひげ図の見方年1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007日数(日) 5 3 5 8 2 2 6 3 6 8年2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017日数(日) 10 0 24 8 10 30 2 4 22 13(気象庁ウェブページのデータをもとに作成)表1 年ごとの猛暑日の日数(1998 ?2017 年,福岡)