ブックタイトル中学校数学「データの活用」新教材の指導の手引き

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概要

中学校数学「データの活用」新教材の指導の手引き

16 日文 教授用資料ヒストグラムと箱ひげ図から読み取ることができることがらについて,具体例を使って考えてみましょう。次ページの図1 の6 つのヒストグラムは,2019 年7 月1 日から8 月31 日までの,札幌,仙台,東京,大阪,博多,那覇における1 日ごとの最高気温のデータをそれぞれまとめたものです。データは,気象庁ウェブページから入手したものです。例えば,札幌では,この62 日間で,最高気温が15℃以上20 度未満だった日が2日あったことがわかります。図2 は,同じデータを箱ひげ図に表したものです。ただし,並べる順番を中央値の小さい順に並べかえ,博多と東京以外は地点名を伏せています。図2 の(A)?(D)がどの地点の図かを特定できるか考えてみましょう。まず,(A)?(D)の箱ひげ図の左端に着目すると,(A)と(B)のデータの最小値は15℃と20℃の間にあり,(C)と(D)のデータの最小値は25℃と30℃の間にあることがわかります。したがって,(A)と(B)のデータには15℃以上20℃未満の階級に度数が1 日以上あること,(C)と(D)のデータには25℃未満の2 つの階級の度数が0日であることがわかります。以上のことを踏まえて図1 を見ると,(A)と(B)にあてはまるのは札幌と仙台,(C)と(D)にあてはまるのは大阪と那覇に特定されます。ここで,(A)と(B)の箱ひげ図の右端に着目すると,(A)のデータの最大値は30℃と35℃の間にあり,(B)のデータの最大値は35℃と40℃の間にあることがわかります。したがって,(A)が札幌,(B)が仙台であることが確定します。同じように,(C)と(D)の箱ひげ図の右端に着目すると,(C)のデータの最大値は30℃と35℃の間にあり,(D)のデータの最大値は35℃と40℃の間にあることから,(C)が那覇,(D)が大阪であることが確定します。このような課題は,図から情報を読み取る力をのばすための練習にもなります。なお,図2 の博多と東京の地点名を伏せた場合,図1 と図2 の対応関係を見抜くことはできません。なぜなら,図1 のヒストグラムにおいて,それぞれのデータの最小値,四分位数,最大値を含む階級が,すべて一致しているからです。p.18 ?19 では,同じ図(ただし,図2は地点名を明かして順番も並べかえています)を使った練習問題(例)をご紹介します。複数の図から必要な情報を読み取る練習をするとともに,それぞれのグラフから読み取れることがらと読み取れないことがらについて考察させることもできます。また,各地点のデータの分布の傾向を比較させて,どんなことがいえるかを話し合わせてもよいでしょう。中2  ヒストグラムと箱ひげ図の対比