ブックタイトル中学校数学「データの活用」新教材の指導の手引き
- ページ
- 24/28
このページは 中学校数学「データの活用」新教材の指導の手引き の電子ブックに掲載されている24ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 中学校数学「データの活用」新教材の指導の手引き の電子ブックに掲載されている24ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
中学校数学「データの活用」新教材の指導の手引き
22小1?小2日文 教授用資料新学習指導要領では,中学校数学科の全学年で「批判的に考察し」という文言が入りました。小学校算数科でも6 年で「批判的に考察すること」という文言が入っており,義務教育において重要な内容と位置づけられています。ここでは,「批判的思考」について,具体例を挙げて述べます。1.根拠となるデータの妥当性について批判的に考察することp.8 の「1 年の練習問題(例)」の(4)では,過去(1951 年から2018 年までの68 年間)のデータをもとに,「来年の台風の発生数が25 個未満である確率は約40%」と結論づけています。しかし,近年は異常気象ともよべる現象が多発しています。記憶に新しいところでも台風が日本列島に大きな被害をもたらしていることから,台風の発生数は増加する傾向にあるのではないかと推測することができます。そうなると,「過去のデータの傾向をもとに将来を予想する」という考え方が使えるのか疑わしくなり,上記の結論を見直す必要性も出てきます。そこで,p.8 の表1 のもとになったデータにさかのぼり,1951 年から1984 年までの34 年間と1985 年から2018 年までの34 年間に2 分割して,その2 つのデータの分布を比較し,分布の傾向に変化があるかどうかを調べることで,上記の結論の妥当性を検討してみたいと思います。上の度数分布表で,20 個以上25 個未満の階級までの累積度数は,どちらのデータでも14 回で等しく,その累積相対度数を求めると0.41 となります。よって,前述の結論を否定するような変化は見られないことから,この結論は妥当ということができます。2.データの分析の仕方や着目する点について批判的に考察すること上の表で30 回以上の2 つの階級の度数の合計に着目すると,1951 年から1984年までの34 年間では10 回,1985 年から2018 年までの34 年間では5 回と,半減しています。そこで,今度は「台風の発生数は減少する傾向にあるか」という新たな問題を設定し,考察してみたいと思います。次の図1 は,1951 年から2018 年までの68 年間における台風の発生数のデータを折れ線グラフに表したものです。この図中中3 批判的思考台風の発生数(1951 ?2018 年)階級(個)度数(回)1951 ?1984 年1985 ?2018 年以上未満10 ?15 0 115 ?20 1 120 ?25 13 1225 ?30 10 1530 ?35 7 435 ?40 3 1合計34 34(気象庁ウェブページのデータをもとに作成)