ブックタイトル中学校数学「データの活用」新教材の指導の手引き
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中学校数学「データの活用」新教材の指導の手引き
日文 教授用資料 5中1 統計的確率新学習指導要領で,「多数の観察や多数回の試行によって得られる確率」が中2から中1 へ移行されました。いわゆる「統計的確率」の内容が中1 へ移り,「数学的確率」の内容は中2 に残ったといえます。中1 へ移った内容は移行措置の対象であり,令和2 年度以降は中1 で指導します。ただし,令和2 年度までの中2 には,従来通り指導します。もう少し詳しく述べると,新学習指導要領では,中1 で扱う確率の内容について,次のように示されています。ア(ア)多数の観察や多数回の試行によって得られる確率の必要性と意味を理解すること。イ(ア)多数の観察や多数回の試行の結果を基にして,不確定な事象の起こりやすさの傾向を読み取り表現すること。ア(ア)は知識・技能に関する内容であり,イ(ア)は思考力・判断力・表現力等に関する内容です。このうち,イ(ア)で述べられていることは,後述する「相対度数を確率とみなすこと」を意味しています。ここでは,中1 で指導する確率について述べます。1.多数の観察や多数回の試行によって得られる確率確率とは,あることがらの起こりやすさの程度を0 以上1 以下の数で表したもののことです。確率がp であるというのは,同じ観察や試行を多数回繰り返したとき,そのことがらが起こる相対度数がp に近づくという意味です。相対度数は,全体に対する部分の割合を示す値です。多数の観察や多数回の試行においては,(ことがらA が起こった回数)(全体の回数)が,ことがらA が起こった相対度数です。例えば,ペットボトルのキャップを20回投げたときに表向きになった回数が4回なら,表向きの相対度数は0.2 です。図1 は,1個のペットボトルのキャップを1000 回投げるシミュレーションを3回行った結果です。図1 で,20 回投げた時点の表向きの相対度数は0.25,0.35,0.45とばらついていますが,投げる回数が多くなると,そのばらつきが小さくなっていくのがわかります。投げる回数をさらに増やしていくと,表向きの相対度数は,ある特定の値に近づいていきます。その値が,1個のペットボトルのキャップを1回投げたときに表が出る確率です。図1 ペットボトルキャップを1000 回投げる実験をしたときの表向きの相対度数の変化のようす