ブックタイトル中学校数学「データの活用」新教材の指導の手引き

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概要

中学校数学「データの活用」新教材の指導の手引き

日文 教授用資料 7図4 の2 つのヒストグラムは,スキージャンプ競技の原田選手と船木選手の2人が長野オリンピック(1998 年)までのいくつかの国際大会で飛んだ距離の記録をそれぞれまとめたものであり,総度数はどちらも20 回です。小問(2)では,「2 人のヒストグラムを比較して,次の1 回でより遠くへ飛びそうな選手を1 人選ぶとともに,選んだ理由を説明する」という趣旨の記述式の問題が出題されています。この問題では,2 つのヒストグラムの総度数が等しいことから,相対度数を使わず,度数で比較することもできますが,例えば「110 m以上の階級の相対度数の合計で比べると,原田選手が(13/20=)0.65,船木選手が(17/20=)0.85 で,船木選手の方が大きいから,船木選手を選ぶ。」と判断することが考えられます。これは,「110 m以上の階級の相対度数の合計」を,「(それぞれの選手が次の1 回のジャンプで)110 m以上飛ぶ確率」とみなして意思決定の根拠としているということになります。このとき,「次の1 回のジャンプで原田選手が110 m以上飛ぶ確率が0.65」の意味として適切なのは,次のaとbのどちらかを考えさせることで,確率は「必ず?になる」とは言い切れない不確実なことがらを考察の対象としていることを確認することも大切です。a 原田選手が100 回ジャンプをすれば,そのうち65 回は必ず110 m以上飛ぶ。b 原田選手が100 回ジャンプをすれば,そのうち65 回くらいは110 m以上飛ぶことが期待できる。また,図4 からは,船木選手が135 m以上飛んだのは0 回であることが読み取れます。このことをもとに,上のように相対度数を確率とみなして考えると,「次の1 回のジャンプで船木選手が135 m以上飛ぶ確率は0」となります。しかし,この場合,「船木選手が次のジャンプで135 m以上飛ぶことはあり得ない」とは言い切れないという点に注意が必要です。中数B?5離の記録について調べました。下の2つのヒストグラムは,1998年シーズンの長野オリンピックまでのいくつかの国際大会で,二人が飛んだ距離の記録をまとめたものです。たとえば,このヒストグラムから,二人とも105 m 以上110 m 未満の距離を3回飛んだことが分かります。原田選手の記録105065 70 75 80 85 90 95 100 105 110 115 120 125 130 135 140(m)(回)船木選手の記録105065 70 75 80 85 90 95 100 105 110 115 120 125 130 135 140(m)(回)図4 平成24 年度全国学力・学習状況調査B問題3 の一部原田選手が110m以上飛んだのは,20回のうち13回。↓13/20=0.65だから,原田選手が110m以上飛んだ相対度数は0.65。↓この相対度数を,「次の1回のジャンプで原田選手が110m以上飛ぶ確率」とみなすと,その確率は0.65。↓同じように考えると,次の1回のジャンプで船木選手が110m以上飛ぶ確率は0.85。↓次の1回でより遠くへ飛びそうな選手を1人選ぶとすると,110m以上飛ぶ確率が高い船木選手を選ぶ。