ブックタイトル道徳科「深い学び」のための内容項目ハンドブック

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概要

道徳科「深い学び」のための内容項目ハンドブック

学年「学習指導要領」の内容発達の段階ごとのキーワードとポイント小・低学年よいことと悪いこととの区別をし,よいと思うことを進んで行うこと。「よいことと悪いこと」「喜び」低学年には,2つの指導のポイントがあります。まず一つは,「よいことと悪いことの判断」ができることです。その判断理由には,「お母さんに心配をかける」といった他律的な理由もあってよいのです。できるだけ多くの理由が出てくることが大切です。だから,「しっかりと考える」ことが大切になるのです。もう一つは,こうして判断したことを実行したら,「やってよかった」という喜びや爽やかさが待っていることを自覚できるようにすることです。実行した喜びの中には,「お母さんにほめられる」というものもあるでしょう。そこに,「自分で決めたことだから」という理由が考えられるようになるといいですね。小・中学年正しいと判断したことは,自信をもって行うこと。(低学年の内容)+「やればできる」「自信」中学年になると,「自分が」そのように決めたという意識をもつことがますますできるようになってきます。そのことを,「自分もやればできる」「自信」といった意識につないでいきましょう。それが,自分の弱い心に打ち克ったことの自覚につながるのです。特に,中学年は,正しいことをしようとする心とそれを邪魔する弱い心との綱引きのようなイメージで,自分の心の中を捉えられるようにするとよいでしょう。そして,弱い心に打ち克った自分を自分でほめられるようにしましょう。小・高学年自由を大切にし,自律的に判断し,責任のある行動をすること。(低,中学年の内容)+「自由と責任」 「自由」と「わがまま勝手」や「自分勝手」との違いに気付けることが,高学年のポイントです。自分の自由ばかり主張すると,他人の自由を侵害し,やがては自分の自由もなくなるといった考え方も出てくるでしょう。ただ,これだけだと,BやCの視点となります。Aの視点での学習を意識しましょう。「自分のわがままに振り回されず,しっかり考えること」「自分が決めたからこそ,その責任は自分にあるのだから,その思いをもって判断する」といった,「自分」の意思で決めるところに,自主・自律や自由の意味があるのです。中学校(自主,自律,自由と責任)自律の精神を重んじ,自主的に考え,判断し,誠実に実行してその結果に責任をもつこと。(小学校の内容)+「逃げない心」「誇り」中学生になると,抽象的な概念を理解できるようになります。そこで,ぜひとも考えさせたいのが,「誇り」「プライド」です。中学生の時期は,「社会律」と呼ばれるなど,友達のことが気になります。そんな生徒に,自分が正しいと信じることを自信をもって実行するものを支えているのは,自らの「逃げない心」や「誇り」「プライド」であること,それがあるから,他から振り回されたり,流されたりすることなく,自分で判断し,「責任」がもてることの自覚を深めましょう。そして,自分は何に基づいて判断しているのかを意識しながら,自律的にどんな小さなことでも自分で考え,自信をもって判断し,行動できる,「人間としての誇り」をみんなで考え合いましょう。学年「学習指導要領」の内容発達の段階ごとのキーワードとポイント小・低学年うそをついたりごまかしをしたりしないで,素直に伸び伸びと生活すること。「モヤモヤとすっきり」動機よりも結果に関心が向きやすい低学年です。?をついたりごまかしをしたりしていると,心の中がモヤモヤとし,暗い気持ちで過ごすことになります。一方,正直であると,心がすっきりし,ご飯もおいしく,毎日を明るく伸び伸びと過ごすことができます。「叱られるから」あるいは「ほめられるから」正直であることが大切なだけでなく,モヤモヤが消え,すっきりとした気持ちで過ごせることも,正直であることのよさなのです。小・中学年過ちは素直に改め,正直に明るい心で生活すること。(低学年の内容)+「自分を偽らない」「自分に正直」中学年のポイントは,「自分」に対する正直さです。それは,他者に注目するだけではなく,自分の心の中に注目する考え方へと広げ,深めるものです。ただし,まだ具体的な思考の残る子どもたちです。自分の心の中にある「正直でいよう」という強い心と「逃げたい,ごまかそう」という弱い心との綱引きで考えると,子どもたちにとっては,理解がしやすくなります。板書に絵で示すのもよいことです。また,そうすることで,自分の中には,正直な心がきちんとあることも確認することができます。小・高学年誠実に,明るい心で生活すること。(低,中学年の内容)+「自分に対する誠実さ」高学年です。強い心と弱い心の綱引きで留まるのではなく,弱い心に負けてしまう自分という人間の値打ちや,自分はどのような生き方をするのかという視点で考えられるようにしましょう。自分という人間を,俯瞰的に見る三人称の見方ができるようになる高学年だからこその視点です。中学校(自主,自律,自由と責任)自律の精神を重んじ,自主的に考え,判断し,誠実に実行してその結果に責任をもつこと。(小学校の内容)+「誇りから生まれる誠実さ」何が正しいかは分かっている中学生です。しかし,そのことを誠実に実行するとなると,周りからの視線が気になります。「友達はどうするのか」「友達からどう見られるか」が気になり,ごまかしたり,流されたりしてしまいがちです。そんな自分を客観的に見つめ,「自分が正しいと信じることを,自分は自信をもってやっているだろうか,自分は情けない人間になってはいないだろうか」と,自らの「誇り」「プライド」に問いながら判断するという誠実さを考え合いましょう。自らの誇りにかけた判断によって,他者がどうであろうと,周りがどうであろうと,自分が正しいと信じることを動ぜずに実行することができます。自分で考え,自信をもって判断し,行動できる,「人間としての誇り」をみんなで考え合いましょう。8A 小 善悪の判断,自律,自由と責任/中 自主,自律,自由と責任 A 小 正直,誠実/中 自主,自律,自由と責任Aの視点9