ブックタイトル道徳科「深い学び」のための内容項目ハンドブック

概要

道徳科「深い学び」のための内容項目ハンドブック

学年「学習指導要領」の内容発達の段階ごとのキーワードとポイント小・低学年自分のやるべき勉強や仕事をしっかりと行うこと。「頑張った喜び」低学年は「自分のやるべきこと」です。それは，勉強や家のお手伝い，学級の仕事などです。自分がやらねばならないことですから，最後まで，頑張ってやらなければなりません。つらくても，しんどくても，頑張った先には，やってよかったという喜びが待っているのです。その喜びに出会うために，辛くてもしっかりと行うことが大切です。なお，その喜びには，ほめられる喜び，自分の力でできた喜び，得意になった喜び，自分が成長し大きくなった喜びなど，様々です。喜びの違いへの気付きもまた，深い学びとなります。小・中学年自分でやろうと決めた目標に向かって，強い意志をもち，粘り強くやり抜くこと。（低学年の内容）＋「もっとよくなりたい」中学年は「自分でやろうと決めた目標」です。最後まで続けるか，それとも途中で諦めてしまうかは，自分次第です。しかし，やろうと決めたのには，訳があるはずです。「今よりよくなりたい」「強い自分になりたい」「みんなの役に立ちたい」などです。諦めてしまうと，これらのことができなくなってしまうし，頑張ったことも無駄になってしまいます。逆に，目標を達成することで，自信が生まれ，さらにもっとよくなりたいという心が育ってくるのです。また，頑張るコツなどについても考えられるようにしましょう。小・高学年より高い目標を立て，希望と勇気をもち，困難があってもくじけずに努力して物事をやり抜くこと。（低，中学年の内容）＋「目標に向かって確かな一歩」目標の実現のためには，自分が目指す目標と，その目標に至る一つ一つのステップの両方が大切です。どこに向かって進もうとしているのか，何を目指すのかをしっかりと見据えていないと，迷子になってしまいます。一方，足もともしっかりと見ていないと，目標に近付くことすらできなくなってしまいます。より高い目標があるからこそ頑張ろうという気持ちが高まり，小さなステップを一歩ずつ進むからこそ，小さな喜びが希望となり，自信や勇気となって次の一歩を後押ししてくれるのです。目標に向かっての確かな一歩が，目標を実現する大きな一歩なのです。努力とは，この一歩一歩を確かに進んでいくことです。中学校より高い目標を設定し，その達成を目指し，希望と勇気をもち，困難や失敗を乗り越えて着実にやり遂げること。（小学校の内容）＋「自分の弱さに打ち克つ」中学生になると，理想通りにいかない現実が見えるようになってきます。そして，困難や失敗の経験も増えてきます。そうすると，日々の生活がマイナス思考になってしまいがちです。その中で，困難や失敗を乗り越えて最後までやり遂げるには，意志を強くもって自分の弱さに打ち克つことと，目標に向かって計画的に小さなステップを歩んでいくことが大切です。自分の心の中にある不安や自信のなさ，怠け心，計画性のなさなどの弱さを冷静に見つめ，困難や失敗をバネに，小さな目標であってもそれが達成されたときの満足感や希望，勇気に気付き，自分の弱さを克服していく，すなわち，克己が中学校のポイントです。学年「学習指導要領」の内容発達の段階ごとのキーワードとポイント小・低学年（小・低学年，中学年は項目なし）小・中学年小・高学年真理を大切にし，物事を探究しようとする心をもつこと。「分からないことをそのままにしない」先人が物事の真理を明らかにしたきっかけは，小さな好奇心であったり，ちょっとした疑問であったりすることが多くあります。疑問に思ったことや分からないことをそのままにせず，自分が納得するまで分かろうとすることが，大きな業績を残すことにつながることに気付き，自分の中にある好奇心や疑問のもつ値打ちを大切にできるようにしましょう。中学校真実を大切にし，真理を探究して新しいものを生み出そうと努めること。（小学校の内容）＋「真理の探究が人生を豊かに」新たなものは，これまでの固定的な見方や考え方に囚われず，自由な発想の中で創造されるものです。広い視野に立ち，多面的・多角的な見方や，論理的・批判的に考える姿勢が，新たな見方や考え方の発見や創造につながり，自分の喜びや成長，人生の豊かさにつながることに気付くことができるようにしましょう。12 13A 小 希望と勇気，努力と強い意志／中 希望と勇気，克己と強い意志 A 小 真理の探究／中 真理の探究，創造Aの視点