ブックタイトル道徳科「深い学び」のための内容項目ハンドブック

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概要

道徳科「深い学び」のための内容項目ハンドブック

学年「学習指導要領」の内容発達の段階ごとのキーワードとポイント小・低学年他国の人々や文化に親しむこと。「他国と接する楽しさや親しみ」低学年の子どもたちにとって,自国と他国の文化の違いを明確に区別することは難しいでしょう。そこで,他国の人々と交流したり文化に触れたりしたことを思い出したり話し合ったりすることを通して,他国と接する楽しさや親しみを感じることができるようにすることが,国際理解のスタートになるものと考えます。小・中学年他国の人々や文化に親しみ,関心をもつこと。(低学年の内容)+「文化の違い」中学年になると,外国語活動などで,自分たちの身の回りにある他国の文化や特徴に気付き,自分たちからも積極的に接していこうとする意欲も高まってきます。そこで,他国の人々や文化に,さらに親しみをもつことができるようにしながら,自分たちの国の文化と他国の文化との共通点や相違点,それぞれのよさを感じることができるようにしましょう。そして,自分たちがそうであるように,他国の人々もそれぞれの文化を大事にして生活していることや,自分たちの国と他国にはつながりや関わりがたくさんあることなどに気付くことができるようにしましょう。小・高学年他国の人々や文化について理解し,日本人としての自覚をもって国際親善に努めること。(低,中学年の内容)+「国際親善は自分から」高学年になると,社会科や外国語科,総合的な学習の時間などでの学習経験も増え,他国への関心や理解が一層高まります。また,他国の人々と接する機会も増えることから,自分たちの文化との違いも認識できるようになります。そこで,国際理解を深め,国際親善に努めようとする態度を育てていきましょう。他国の人々もまた,それぞれの国の伝統と文化に愛着や誇りをもって生きていることや,自分たちも日本人として我が国の伝統と文化を理解し,誇りをもって接することが大切であることを自覚できるようにしましょう。そして,自分たちにできることを考え,進んで他国の人々と接していくことが,ものの感じ方や考え方,生活習慣,文化の違う他国の人々との国際親善につながることなどに気付くことができるようにしましょう。中学校世界の中の日本人としての自覚をもち,他国を尊重し,国際的視野に立って,世界の平和と人類の発展に寄与すること。(小学校の内容)+「同じ人間として自分にできること」中学生にもなると,世界の話題や国際問題についての知識も増え,関心も高くなってきます。また,音楽やダンス,スポーツなどの分野で,他国の人々や文化についての理解も深まり,同時に,日本人としての意識をもって関わるようにもなってきます。そこで,世界の平和と人類の発展に寄与した先人たちの生き方なども参考に,国と国という一対一の関係だけでなく,地球家族や同じ人間同士という高い視野から,国際貢献を支えているのは,国際的な視野に立つことや同じ人間として尊重し合う態度,思いやりや相互理解,寛容,社会正義などの心であることや,自分も世界の平和や人類の発展に大いに貢献できる可能性があることを自覚できるようにしましょう。学年「学習指導要領」の内容発達の段階ごとのキーワードとポイント小・低学年生きることのすばらしさを知り,生命を大切にすること。「生きているから」低学年では,「いのち」「生きている」といったことに対して,実感をもって自覚できるようにすることがポイントです。例えば,元気よく遊んだり勉強したりできることや,ご飯をおいしく食べられること,体には温もりがあることなどは,生きているからこそ,できることや感じられることです。このことに気付き,「いのち」の大切さや「生きていること」の素晴らしさを自覚できるようにしましょう。小・中学年生命の尊さを知り,生命あるものを大切にすること。(低学年の内容)+「一つしかない命,支えられている命」中学年は,生命の大切さについて考え始める段階です。特に,生命の有限性や連続性は,子どもたちにとって分かりやすいものです。死について理解できるようになる段階とも言われていますから,一つしかない命,多くの人に支えられている命,祖父母,父母,自分と受け継がれてきた命といった視点で,生命の大切さについて考えさせましょう。また,自分たちだけでなく,すべての生命あるものについて広げて考えられるようにすることも大切です。小・高学年生命が多くの生命のつながりの中にあるかけがえのないものであることを理解し,生命を尊重すること。(低,中学年の内容)+「つながりの中にある重さ」教科化に当たって「つながりの中にある」という文言が追加されています。このことは,たった一つの生命であっても,それは決して小さな存在ではなく,多くの人々や生命あるものとの支え合いやつながりの中で存在する,とてつもなく大きくて重くて,かけがえのないものであるということです。このことを自覚することが,生命に対する畏敬の念となり,人間の力をはるかに超えた,生命の重さや尊さを自覚することになるのです。そして,自分が精一杯生きることが,その生命を大切にすることになるのです。これらのことを自覚できるようにしましょう。中学校生命の尊さについて,その連続性や有限性なども含めて理解し,かけがえのない生命を尊重すること。(小学校の内容)+「広く,深いつながり」中学校では,小学校段階で考えてきた「つながり」が,さらにもっと広く,深くなります。それが,社会的・文化的生命です。それは,自分の役割や居場所をもって生きることや,人間としての尊厳や誇りをもって生きることです。生物的・身体的生命に限ることなく,人と人や社会とのつながりの中で生きていることや生かされている社会的・文化的生命を自覚することで,さらに生命の重さや畏敬の念の深い自覚となります。人と人や社会とのつながりの中で生きていることや生かされていることに感謝の念をもつとともに,これらの生命を軽く見るのではなく,進んで自他の生命を尊重しようとする態度を育てていきましょう。なお,このように生命についての考え方や捉え方を広げ,深めながら,現代的な課題である「生命倫理」の問題についても考える機会を設けることも大切なことです。28Cの視点Dの視点C 小 国際理解,国際親善/中 国際理解,国際貢献 D 小/中 生命の尊さ29