ブックタイトル道徳科「深い学び」のための内容項目ハンドブック

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概要

道徳科「深い学び」のための内容項目ハンドブック

学年「学習指導要領」の内容発達の段階ごとのキーワードとポイント小・低学年身近な自然に親しみ,動植物に優しい心で接すること。「動植物と仲よし」低学年の子どもたちにとって,動植物は,共に生きる仲間です。動植物の世話をしたり,身近な自然の中で遊んだりすることによって,「不思議だな」「すごいな」「生きているんだな」「かわいいな」といった気持ちが高まり,動植物を自分のことのように考えたり,親しみをもって接しようとしたりする思いが育っていきます。これまでの経験も振り返りながら,共に生きている仲間として,動植物や自然を捉えることができるようにしましょう。小・中学年自然のすばらしさや不思議さを感じ取り,自然や動植物を大切にすること。(低学年の内容)+「自然のもつ力」自然に親しみ,大切にしてきた経験を振り返りながら,自然のもつ美しさや素晴らしさ,不思議さを自覚するとともに,「自然も生きているんだ」のように自然のもつ力を自覚できるようにしましょう。特に,私たちは動植物の気持ちを自分のことのように考えることがあります。また,自然の中では心が安まります。自然と私たちは仲間であることや昔から共に生きてきたこと,さらには,自然は私たちを大きく包み込んでくれることなどを自覚できるようにしましょう。このことが,自然に対する畏敬の念や環境保全への意識につながります。小・高学年自然の偉大さを知り,自然環境を大切にすること。(低,中学年の内容)+「自然と共に生きる」私たち人間は,自然に囲まれながら,自然と共に生きてきました。具体的には,私たちは自然から大きな力をもらって生きています。さらに,私たちは,自然を守り,育ててきました。このように私たちは,自然がもつとてつもない力に助けられるとともに謙虚に生きてきました。まずは,このような自然と人間との関わりの様々な側面を自覚することが大切です。その上で,自然環境を大切にするために,その課題や自分たちにできることを考え,積極的に関わっていくことの大切さを自覚できるようにしましょう。中学校自然の崇高さを知り,自然環境を大切にすることの意義を理解し,進んで自然の愛護に努めること。(小学校の内容)+「自然に生かされている人間」「自然を大切にすること」「自然を愛護すること」は,中学生であれば当然知っています。ただし,その自覚を,人間と自然とのつながり,さらには,自分と自然とのつながりで考えられるようにすることが大切です。そのためには,まず,自然のもつ美しさや神秘さ,さらには,悠久の流れや恐ろしさといった,私たち人間の力をはるかに超えた自然の崇高さに対して畏れ敬い,謙虚であることが求められます。何より,私たち人間は,この大自然の中では,とてもちっぽけで無力な存在であり,自然によって生かされ,育まれてきた存在であるという自覚をもって,自然と向き合うことが大切です。このような大きな視点で捉えながら,人間が自然と共生していくために,自分たちができることを考え,実行していくことが,未来へとバトンを渡していくことになることを自覚できるようにしましょう。学年「学習指導要領」の内容発達の段階ごとのキーワードとポイント小・低学年美しいものに触れ,すがすがしい心をもつこと。「目の前に広がる美しさやすごさ」低学年の子どもたちは,具体の世界に生きています。したがって,子どもたちが一番感動するのは,自然の美しさでしょう。一面に広がるお花畑や赤や黄色に織りなす紅葉などです。これらに素直に感動することはとても素晴らしいことであること,それは,単に「きれいだな」というだけでなく,爽快さを感じ,気持ちが洗われ,背筋が伸びるような「すがすがしさ」という感動があることをみんなで共感し合うことが,スタートです。そして,さらに心地よい音楽や芸術作品,これまでの自分の経験などと,感性が揺さぶられるものへと,どんどんと対象を広げながら,感動する心はとても素敵であることを確かめ合いましょう。小・中学年美しいものや気高いものに感動する心をもつこと。(低学年の内容)+「心で感じる美しさやすごさ」中学年になると,対象は,直接目の前に広がるものだけではなく,人の心をはじめ,心で感じる美しさへと広がります。そして,すがすがしさをさらに発展させ,対象の内に秘められた純粋さや大きさ,気高さへと広げましょう。特に,「気高さ」ですから,「すごいな」という感動を,今の自分では及ばない,しかし,そうありたいと憧れるといった尊敬の心を含めたものへと深めていきましょう。このあたりから,感動を基に自分を見つめ直すような視点が入ってくるのです。小・高学年美しいものや気高いものに感動する心や人間の力を超えたものに対する畏敬の念をもつこと。(低,中学年の内容)+「人間の力を超えたものの美しさやすごさ」高学年は,人間の力を超えたものへと,さらに発展します。人間のもつ心の崇高さや偉大さ,真理を求める姿や自分の可能性に無心で挑戦する人間の姿,芸術作品の内に秘められた人間の業を超えるもの,大自然の摂理やそれを包み込む大いなるものなどです。これらに対して,人間の力を超えていることへの感動や,人間のもつ力のちっぽけさの自覚などを進め,自分や自分たち人間との関係にも注目できるようにしましょう。中学校美しいものや気高いものに感動する心をもち,人間の力を超えたものに対する畏敬の念を深めること。(小学校の内容)+「感動は人を成長させる」中学生です。感動する心と言っても,その対象や感じ方,考え方には,想像を超える広さや深さがあることを考え合いましょう。そして,人間の力を超えたものに対して畏敬の念をもつことの意義として,なかなか素直に感動できないという,人間のもつ弱さについても触れながら,素直に感動する心は,自分のおごりや独り善がりを避け,私たち人間に謙虚さをもたらし,一回り大きな成長を促し,人生を豊かにしてくれることも自覚させましょう。つまり,色々なものに感動できる人は,自分を成長させ,人生を豊かに生きることができるのです。30Dの視点D 小/中 自然愛護 D 小/中 感動,畏敬の念31