ブックタイトルいっしょに考えよう図工のABC

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概要

いっしょに考えよう図工のABC

date:同じ車でも小学校から教科に分かれて学ぶ。幼児教育や家庭教育のような心情的で全体的な教育から分化し,体系的でマネジメントされた教育へと移行していく。教科や道徳,特別活動などを通して全人的な育成を図るのが義務教育ということになる。教科それぞれに「目標」があり,その内容を示したのが「学習指導要領」である。そこで培われる資質や能力が学力となる。教科それぞれで「育つ力」が違うことが,教科の存在理由となる。例えば,「車をつくる」という授業があったとする。理科で太陽光を集めて動くソーラーカーをつくるとしたら,目的は,光のエネルギーが動力になることを体験的に学ぶことにある。その仕組みなどを理解するとともに,結果として,どの子の車も動くことが大切である。しかし,図工で空き箱などを利用して車をつくるとすると,動くことに重点を置かず,「発想や構想の能力」を育成する授業として「楽しい車をつくろう」と提案する。子どもたちは,「ガタゴト動く車にしよう」「ケーキ型の車が楽しいな」「動いたら,おばけが飛び出す仕組みをつくろう」など,それぞれ個性的なアイデアを考え出してくる。互いに刺激し合ってさらに工夫をして,授業の終わりには,楽しい車が勢ぞろいする。動かない車があっても,つくり出す過程で,その子らしさは発揮されている。ケーキが動いたなら,それは,きっと楽しい。動くたびに子どもたちの心も動き出す。友だちの顔も笑顔になる。喜びをみんなで共有する。図工の魅力はこんなところにある。8