ブックタイトルいっしょに考えよう図工のABC
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いっしょに考えよう図工のABC
date:「思い付き」と「段取り」人類の進歩にとって,創造的な問題解決や創造活動は不可欠である。そのため教育の大きな柱に,豊かな創造力の育成が掲げられる。恩田彰は,創造性を「新しい価値あるもの,またはアイデアを創り出す能力すなわち創造力,およびそれを基礎づける人格特性すなわち創造的人格である。」としている。*特に,造形活動では,個人にとっての価値ある新しさが生み出される「自己実現の創造性」が大切にされる。創造性は,大きく「創造力」と「創造的人格」に分けられ,創造力は創造的思考力と創造的技能に分けられる。「創造的思考」は,想像と思考の両方の機能を併せもつ。想像力によって新しいイメージを生み出し,これを思考力によって具体化するのである。また,創造的思考は,発散的思考「発想」(思考の方向が多種多様に変わっていく思考)と収束的思考「構想」(ある一定の方向に導かれていく思考)が統合されたものとして考えられる。「発想」は「思い付き」と言い換えることができ,「構想」は,「段取り」や「筋立て」などと言える。発想で,いろいろなアイデアを広げ,構想で,実現可能なものへと焦点化するのである。また,恩田は創造的技能を「ある基礎的な技術を習得し,熟達することによって生まれてくる感覚・運動的能力で,従来の技術水準を越え,新しい高次の水準に達したもの」とし,創造的思考が生み出すアイデアが基礎になっているとしている。ものをつくり出すときの発想や構想に,はっきりとした境目はない。両輪として育成することが大切である。*恩田彰『創造性開発の研究』恒星社厚生閣198014