ブックタイトルいっしょに考えよう図工のABC
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いっしょに考えよう図工のABC
date:子どもの見方と大人の見方私たち大人の見方は,視覚優位になっている。このことを前提に指導を考えることが大切である。平面にかかれた立体のようにみえる透視図は,子どもにも同じようにみえているのだろうか?幼児からの絵の発達をみると,2歳あたりから頭足人と呼ばれる人物が登場する。鬼丸吉弘は児童画の発達を大きく3期に分けている。初めは,紙にたたき付けたような絵で大人がみても何がかかれているか分からない「表出期」,次は,円と直線による頭足人など何をかいているか分かるがかき方は子どもの表現である「構成期」,そして10歳前後からのかき方も大人に近くなる「再現期」に分けている。*その児童画の特徴として,対象に近付き触れるような見方でかかれた絵がある。また,展開図のように人物が張り付いたようにかかれた多視点の絵,レントゲンのように,みえないものもかく絵などがある。一般的な静物画など,1つの視点からみたような絵は,大人の見方であって,子どもの見方ではない。特に,低中学年に,大人と同じような再現的な絵を求めるのは難しい。透視図法などは,人類の英知を集めてつくり上げた財産なのである。これは「学習」によって伝達されるものである。子どもは再現にこだわらない。大人の見方,かき方を追随したいのではない。絵をかくことを楽しみたいのである。見たものをきっかけとして,イメージを広げ,想像したものをかき込める幅のある題材であったとしたら,子どもの活動は活発化する。「ほんと,絵をかくって楽しいね。」*鬼丸吉弘『児童画のロゴス』勁草書房1981*鬼丸吉弘『創造的人間形成のために』勁草書房199620