ブックタイトルいっしょに考えよう図工のABC
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いっしょに考えよう図工のABC
Ⅱ指導って子どもの心に届く「対話」は「するもの」でもなく,ましてや「させるもの」ではない。対話は「なるもの」であり,結果として「対話になった」というようなものである。童話『星の王子さま』で,王子さまは,悲しさを紛らわせるためにキツネに遊んでほしいと頼む。*1キツネは「仲よくな4る4」には,他のものとは違う特別なものと考えること,他のことよりも時間がかかること,何かをみるにつけ,思い出すよ4 4 4うになることと言う。つまり,「仲よくなる」こととは,いっし4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4ょにいた時間であり,特別なものと感じる大切な記憶であり,目4に4み4 4 4 4 4 4えないものであるという。「対話になる」ことも,「仲よくなる」と同様な状況が生まれて,生み出されるものでなくてはならない。形式だけ「対話」を唱えたら,形式的なマニュアルと変わらない。幼稚園などでいっしょに遊ぶ子どもたちの様子をみると,そこに感じるのは,子ども同士の期待感や認め合い,まなざしのあたたかさである。このような空間に存在するのが「対話」である。子どもたちの遊びの場面をみると,すぐに集団に入っていくことができるとは限らない。入りたい集団の周りをうろうろしたり,様子を窺ったりしながら,友人から「いっしょにやろう」という誘いを待っていたり,「入れて」と誘い水をかけたりしながら,集団遊びができ上がる。仲よくなるには,近付いて,呼吸を合わせる時間を共有することである。これは指導も同じで,教師は子どもに「近付いてから寄り添い導く」ことが大切なのである。*2*1サン・テグジェペリ『星の王子さま』内藤濯訳岩波書店1953*2佐々木正美・宮原一郎『自閉症児のための絵で見る構造化』学習研究社200425