ブックタイトルいっしょに考えよう図工のABC

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概要

いっしょに考えよう図工のABC

date:子どもがみえるということ教育という営みを「子どもの可能性を引き出す」とする考え方がある。佐藤学は,教育の語源を表すエディ・ケアの「ケア」に着目した。*介護や世話などの「ケア」という営みである。教えたり,引き出したりするという大人からの一方的な営みではなく,相互に感じ「学び」を紡ぐというような行為を表している。教師は,「子どもの傍らにいる大切な人」という考え方である。つまり,子どもにとっての「大切な人」という存在である。私たち教師は,子どもたちにとって「大切な人」として位置付いているかを常に問い続けることを課せられているのかもしれない。この大切な人は,時に水や空気のように,当たり前のように存在したり,時に壁のように立ちはだかる存在であったりする。いつも傍らにいるという心の拠り所となっていることが重要なのである。この存在は,幼い子どもが,夢中になって遊んで,ふと気付いて母親の姿を探し,いることを確認すると再び遊びに戻るというような「いつもそばにいる」母親の姿に似ている。このような場が保障されることで,子どもたちは,友人と安心して学ぶことができる。そのために教師は1人1人の思いや考えを直接感じ取る「子どもがみえる」場にいなければならない。「子どもがみえる」ことは,指導の第1歩である。それは子どものつぶやきや仕草,表情などが身近に感じられる距離にいるということである。同じ空間をいっしょに生きることである。図工は,教師が子どもの思いを感じ取ることができるすてきな教科である。*佐藤学『学びの身体技法』太郎次郎社199726