ブックタイトルいっしょに考えよう図工のABC
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いっしょに考えよう図工のABC
Ⅱ指導って図工の学校平成元年の「生活科」誕生のころ,教師の指導について童謡「スズメの学校」と「メダカの学校」の「教師像」が話題になった。「スズメの学校」の教師は「鞭を振り振りチーパッパ♪」と,教師主導型の授業イメージを歌ったものとした。一方「メダカの学校」の教師は「誰が生徒か先生か,みんなでお遊戯しているよ♪」と,教師と子どもがいっしょに学んでいる様子を歌っている。もちろん,「生活科」の授業は,「メダカの学校」をイメージしている。教師は子どもの目線で学ぶことの意義を訴えている。これらは,幼稚園教育との接続や低学年の発達の特性などとの関連で考えられているが,子どもが主体的に学ぶ環境をどうつくるかという教育観に裏打ちされている。子どもの学力は,さまざまな状況の中で,自分の資質や能力を発揮して,さらに自らの学力を更新していく「新しい学力観」とも重なっている。特別支援教育に詳しい佐々木正美は,教師の指導の在り方について,「子どもに近付き,子どもに寄り添い導く」ことを説いている。*1教師は,子どもにとって重要な他者として,存在し続けることが重要である。見方を変えると,1人1人の子どもと「あなたと私」という1人称の関係ができているかどうかだと言える。*2そのためには,子どもに近付き導くことを心がけ,「子どもの感性に働きかける。子どもからの働きかけに応える。」という関係をつくり上げることである。「教育のめざすところは大きい,教育者の希望は遠い」と倉橋惣三はいう。*3遠い希望を叶えるのは「まめやかな教師」だという。「まめやかな」とは「忠実やかな」と書く。*1佐々木正美・宮原一郎『自閉症児のための絵で見る構造化』学習研究社2004*2佐伯胖『幼児教育へのいざない円熟した保育者になるために』UP選書東京大学出版会2001*3倉橋惣三『育ての心』乾元社1947*佐々木正美『抱きしめよう,わが子のぜんぶ』大和出版2006*津守真『子どもの世界をどうみるか行為とその意味』NHKブックス526日本放送出版協会198727