ブックタイトルいっしょに考えよう図工のABC
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いっしょに考えよう図工のABC
Ⅲ評価って明日は図工いかに教え,その教えた量を図ろうとする指導と評価では,教師の手の中に全てがある。子どもには,それをいかに受け止めるかが課せられる。しかし,子ども自ら主体的に学ぶ学習は,より多く生きた学力を獲得することができる。これは経験知という観点からも明らかである。「主体的に学ぶ」ことに,授業改善のカギがある。大切なことは,子どもを「いかに指導するか」ではなく,「いかに活動させるか」を考えることである。言い換えると,子どもの目線で授業を考えることと同じである。しかし,絵の指導の中には,教師の指示的な手続きの多い指導がみられる。子どもは教師の指示だけを聞き取り,指示通りにかいていく。評価は,出来栄えであり,教師の指示がどれだけ達成されたかになる。これは,今求められている指導と評価からは程遠いものである。本来の評価は,子どもが造形活動の過程でみせるよさや可能性を,子どもの姿から見取ろうとするものである。具体的には個々の実現状況を「造形への関心・意欲・態度」「発想や構想の能力」「創造的な技能」「鑑賞の能力」の4つの観点で評価することになる。「造形への関心・意欲・態度」は,進んで造形活動に取り組んでいる様子を,表現と鑑賞の活動から評価する。「発想や構想の能力」は,いろいろひらめいたり,思い付いたりする発想と,段取りや手続きを自分で考える構想を,表現の活動から評価する。「創造的な技能」は,表し方や表現方法などの工夫を表現の活動から評価する。「鑑賞の能力」は,鑑賞の活動において,気付いたり,とらえたりすることや,味わう,感じ取るという能力を評価することである。これらの資質や能力の多くは,活動の過程であらわれることから,教師は対話や観察,座席表に文字で記入したり,デジタルカメラで撮影したり,評価資料を複数集めるなど,評価方法も工夫することが大切である。*中央教育審議会初等中等教育分科会教育課部会『児童生徒の学習評価の在り方について(報告)』2010*文部科学省初等中等教育局『小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)』2010*国立教育政策研究所『評価規準の作成のための参考資料(小学校)』2010*国立教育政策研究所『評価規準の作成,評価方法等の工夫改善のための参考資料(小学校図画工作)』2011*北尾倫彦・阿部宏行『評価規準と判定基準(小学校図画工作)』図書文化社2011*岩﨑由紀夫・阿部宏行『私がつくる図画工作の授業』日本文教出版201128