ブックタイトルいっしょに考えよう図工のABC
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いっしょに考えよう図工のABC
date:評価の目平成10年から始まった「総合的な学習の時間」は定着したのか形骸化したのか。教科で育てた資質や能力を「総合的な学習の時間」の中で活用し,さらに自らの資質や能力を充実・発展させる。教科書に頼るのではなく,教材は地域など身の回りのことから開発する。しかし,現在は教師の疲弊感はますます強くなり,「総合的な学習の時間」の教材化を図るゆとりも少なくなった。この「総合的な学習の時間」は,教師側にとっては「カリキュラム開発」という,教師の創造的な資質や能力が培われる場でもあった。「子どもを知る。地域を知る。授業をつくる。」という基本があるからである。図工も「題材開発」で通底している。子どもが何に興味や関心をもっているのか。どんな材料があるのか。どんな場所で,どのくらい時間が必要かを悩むのが「教師の仕事」だったはずである。授業づくりばかりではなく評価も,欠点探しの序列化ではなく,子どものよさや可能性を認める肯定的なものに変化している。教師もまた変化が求められている。子ども1人1人のよさを見取る「虫」のようなきめ細やかな教師の目がまず前提にあること。子ども1人1人のよさを認め一層高める指導ができる「人」の目があること。子ども1人1人の将来を見据えて育成する指導計画など教育課程を見通す「鳥」の目を併せもっていることが大切である。授業づくり,教材づくり,題材づくり,教具づくり,どれも創造的な行為である。創造的な行為を実践する中から,子どもに伝えることのできる実感を伴った教師の思いが,そのまま教師の力となる。*佐藤学・中野光『日本の教師8カリキュラムをつくる』ぎょうせい199330