ブックタイトルいっしょに考えよう図工のABC
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いっしょに考えよう図工のABC
Ⅳ造形遊びって造形遊びは想像力を育てる造形遊びは,単に遊ばせることが目的ではなく,進んで楽しむ意識をもちながら,発想や構想の能力,創造的な技能などを育てる意図的な学習である。子どもは材料に働きかけ,自分の感覚や行為などを通して形や色をとらえ,そこから生まれる自分なりのイメージを基に,思いのままに発想や構想を繰り返し,体全体を働かせながら創造的な技能などを発揮していくものである。*1子どもたちを取り巻く社会的な環境は変わり,屋外での遊びの減少,特に,実体験が減少している。だから,自分自身の体験や感動を呼び起こすことが難しくなっている。よって,つくり出すときに必要な発想力や想像力が,ますます乏しくなっていくことが考えられる。高村薫は「想像力とは論理と感覚の組み合せであり,その下には経験の層がある。その経験は,知識や情報の部分と身体の経験の部分を含んでいる。思うに,この現実の社会で私たちが働かせる想像力の大半は,知識と情報の織物であって,そこに身体の実感が伴わない場合が多いものだ。」と身体性の欠如が,想像力を痩せ細させることを危惧している。*2イメージを形づくる想像力は,芸術家や一部の専門家に備わったものではない。すべての人間に備わった能力なのである。その能力を発揮させるには身体を十分に使う体験,それも創造的な表現活動であることが重要なのである。これらを踏まえて,私たちは造形活動を見直し,良質な体験に出会わせる授業を構築しなければならない。造形遊びは,良質な体験として,子どもの記憶に残るのである。*1岡田京子『初等教育資料』NO.878「~造形遊びと子どもの学び~」東洋館出版2011.10*2高村薫『半眼納納』文藝春秋2003p.2637