ブックタイトルいっしょに考えよう図工のABC
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いっしょに考えよう図工のABC
date:今を生きる子どもたち「学ぶことは喜び」「つくりだすことは喜び」「子どもには,子どもの世界がある」など,あたり前のことが,あたり前のようにできない現実。先の東日本大震災によって,私たちは,普通の生活が,これほどまでに価値あることだったのかと深い悲しみの淵に追い落とされた。生かされている自分を感じながら,日々をいかによりよく生きるかの命題を投げかけられたように思う。子どもは,その瞬間,瞬間を懸命に生きている。そのひた向きな姿に,私たちは応える姿勢ができているだろうか。造形遊びや幼児の遊びに接すると,子どもの「すごさ」や「すばらしさ」に出会うことができる。そこで育成されている「想像力」に,これからの未来をみることができる。その想像力を小説家の村上龍は「人間は想像する。(中略)危機を回避して生き延びていくためには,予測,表現,伝達,確認などが絶対に必要で,それを支えるのは想像力だ。」と説明している。*1その想像力がポジティブに発揮されると芸術や科学を生むという。昨日と同じ今日を感謝し,今日と同じ明日を願いつつ,いつかどこかで,と空虚なものへ前のめりになるよりも,「いま」を「ここ」で,他者(あなた)と,自らの身体(からだ)を通じて,自分(わたし)をつくることが,今言えることである。「わたしは,いまここからだ。」*1村上龍『インザミソスープ』読売新聞社1997p.210*永井均『私・今・そして神~開闢の哲学』講談社現代新書2004*加藤周『日本文化における時間と空間』岩波書店2007*古東哲明『瞬間を生きる哲学<今ここ>に佇む技法』筑摩選書201138