ブックタイトルいっしょに考えよう図工のABC

ページ
5/52

このページは いっしょに考えよう図工のABC の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

いっしょに考えよう図工のABC

Ⅰ図工って何の役に立つの?古代ギリシャの哲学者アリストテレスは,教育を2つに分け「役に立つ知識のための教育」と「教育それ自体のための教育(具体的には哲学や芸術の教育)」があるとした。*1平成17年に国立教育政策研究所が全国の小中学生11,000*2人余りに調査した「図工の質問紙」調査では「図工や美術を勉強しても将来の生活に役に立たない」と小学校6年生が39.8%,中学校3年生で54.7%が回答した。(5年後の平成22年に小中7,000人近い児童生徒を対象にし,同じ項目で行*3った調査では,小学生の29.9%と中学生の49%が否定的な回答をした。)それにしても図工や美術を勉強しても将来に役立たないと答えた中学生が,半数近くいることに驚く。みなさんはどう考えるだろう?子どもたちは図工や美術を学んでも,身に付いたものを言い表せないのかもしれない。他に「役に立っているのに気付かない」「役に立つという意味がわからない」「本当に役に立っていない」などがあるかもしれない。でも,図工や美術は「役に立つ・立たない」と簡単に決められるものなのだろうか。言い表すことはできないが,大切なことととらえているのではないだろうか。レオ・レオニの絵本『フレデリック~ちょっとかわったねずみのはなし』好学社(1969)のフレデリックは,冬ごもりのために「いろ」や「ことば」を集めた。冬ごもりも長くなるとみんなの気分も暗くなっていった。フレデリックは集めた色のことを詩人のような言葉で話し,灰色の冬を楽しい時間に変え,温かな気持ちをみんなにもたらした。「本当に役立つ」ってなんだろう。*1山崎正和『文明としての教育』新潮社2007*2国立教育政策研究所『音楽等質問紙調査の概要』2005http://www.nier.go.jp/kaihatsu/ongakutou/index.htm#*3国立教育政策研究所『特定の課題に関する調査(図画工作・美術)』2011.3http://www.nier.go.jp/kaihatsu/tokutei_zukou/houkoku_zentai_001.pdf3