ブックタイトルいっしょに考えよう図工のABC

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概要

いっしょに考えよう図工のABC

date:なぜ,勉強するの?「なぜ,勉強するの?」と子どもに問いかけたらどんな答えが返ってくるだろうか。「大人になっても困らないように」「いい仕事につくため」「お金持ちになるため」など,いろいろな答えが返ってきそうだ。それでは,「自分の人生を豊かにするため」と返ってくる子どもはいるだろうか。フィンランドなどの北欧諸国の子どもたちからは,「人生を豊かにするため」という答えが返ってくるという。「経済協力開発機構(OECD)生徒の学習到達度調査」(PISA)の調査で世界一のフィンランドの教育の実際が明らかになると,「勉強」の目的や考え方に大きな違いがあることに気付かされた。*その違いの1つに,「知識」に関して,「知識は,自ら学ぶ者が,探究して,自分なりにつくり上げていくものであり,教育はその学習を支援する活動」という考え方が徹底していることである。受験勉強や与えられるものを受動的に蓄積するものではないということである。その学びのための基盤となっているのが,「読書」だというのである。フィンランド人の77%が1日に1時間程度の読書をするというのである。「本を読むこと」と「勉強すること」を,同意義でとらえる意識の違いが,子どもの回答の違いにもなっているような気がする。本を読むことも,勉強することも,芸術に触れることも,人生を豊かにするための学びなのである。大震災を味わった私たちは,「便利さ」が「豊かさ」ではないことを知った。本当の豊かさ,本当の幸せを今一度かみしめてみたい。*福田誠治『競争しなくても世界一フィンランドの教育』アドバンテージサーバー2005「社会構成主義的な学習概念」:「構成主義とは,知識には何らかの目的・価値観が前提となっていると認める立場である。(中略)知識は中立のものでなく,ただ一つというわけでもなく,しかも,社会的な脈絡の中でつくられるもの。学習とは,子どもや若者が『自分の人生に必要な知識を自ら求め,知識を構成していく』活動である。」4