ブックタイトルいっしょに考えよう図工のABC
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いっしょに考えよう図工のABC
Ⅰ図工って造形教育と美術教育子どもは造形活動を通して,つくる喜びを味わい,基礎的な諸能力を育てている。幼稚園や小学校での遊びは,子どもの諸能力を育成する格好の場である。集団で学ぶことで,人とのかかわり方や我慢など人格形成に欠かすことのできないものを学ぶ。教育の目的から考えると造形教育は,「人格形成」に寄与している。さらに,美術教育には,人格形成とともに「人類の文化遺産の継承」が目的にある。校種で考えると幼稚園や小学校は,「文化としての美術」を伝えるのではなく,美術に関する様々な体験を十分に行うところである。小学校の「工作」が,中学校の「技術科」に移行することから考えても,「美術科」には「文化としての美術」を伝える必要がある。造形教育と美術(科)教育の関係をどのようにとらえるかの指針がある。石川毅は,美術は<~である>から<~がある>に移行したと述べている。*1これは美の基準が「外」から,「内」に移行した現代と重ね合わせることができる。宮坂元裕は,著書『「造形教育」という考え方』の中で,この考えを受けて,「造形教育を<…がある>存在ととらえ直せば,美の基準は自分の中にあると思っている子どもたちは大変助かる」と述べている。*2子どもたちの造形活動をみていると「美の基準の意見は聞くが,最後は自分で決める」という強い気持ちが読み取れる。*1石川毅『芸術教育学への道』勁草書房1992*2宮坂元裕『「造形教育」という考え方』日本文教出版2006*林健造『幼児の絵と心子どもからあなたへのメッセージ』教育出版19765