ブックタイトルいっしょに考えよう図工のABC

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概要

いっしょに考えよう図工のABC

Ⅰ図工って「に」と「で」「子どもが楽しんでつくっているんだったら,別に何をつくらせてもいいじゃない。」と,他の教科の先生から言われることがある。確かに手を動かし,子どもはつくることを楽しんでいる。しかし,そこには大きな違いがある。それは「目的」か「方法」かである。平成元年の小学校学習指導要領から「絵で表す」から「絵に表す」に変わった。*これは,意欲までも学力として位置付けた新しい学力観が基になっている。絵をかくことは,単に「手段や方法」ではなく,「子どもの思いを絵に表す」という意味である。特別活動や生活科でつくる活動は,計画を進め,行事などを達成するための手段や方法である。一方,図画工作は,つくることそのものが目的である。子どもが自らの「思い」を絵や工作に表現するのであり,端的に言えば「絵にするか立体にするかは,子どもが決めるもの」なのである。それが「生きる力」でいう,自ら課題をみつけ,自ら思考・判断し実現する姿である。大切なのは,「子どもの思いの実現」である。思いは作品となる。作品は自分である。※「工作」は,「つくりたいものをつくる」と同じ意味でとらえ,主に機能や用途,目的などがある表現で,中学校においては「デザイン」または「工芸」に相当するもので,小学校においては,その基礎を培う。ポスターや動くおもちゃ,しかけのあるもの,飾りを付けた服なども工作と考える。※「立体」は,平面的な表現の絵に対し,粘土に表したり,石や木を削って表したりする立体的な表現を示す。*文部省『小学校学習指導書図画工作編』開隆堂出版19897