ブックタイトル成長する先生のための指導のABC

ページ
43/52

このページは 成長する先生のための指導のABC の電子ブックに掲載されている43ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

成長する先生のための指導のABC

38からだも,ことばも,心もわたしたちは知らず知らずのうちに「先生のからだ」になっています。そのことを「これから大人になる子ども」に対して自覚なしに,大人の考えや見方を教えていることを考えてみてください。竹内敏晴は「三角座り(体育座り)」や「並ぶこと」を例にしながら,甲殻類のように,硬直化させている「からだ」を考察しています。「心」と「ことば」と「からだ」は,いつもいっしょなのです。子どもはすべての感覚を使って表現します。そして,そのすべてを使って感じとろうとしているのです。先生は,子どものつぶやきやうなずき,しぐさ,その場の雰囲気から,子どもを感じとることです。竹内は,概念化された先生のからだは,もはや「死んだからだ」であり,そのことを自覚していないから,無神経に子どもを「生かす」などといえる,と厳しく指摘しています。さらに竹内は,先生だけではなく,近代や現代の管理社会に拘束されたすべてが「死んだからだ」になっていると危機感を募らせています。「教員は,子どものこころに,からだに毎日向かい合っている。教員のからだが真に『生き』めざめ,子どもにふれなければ,子どものからだはその一刻一刻に,閉じ,死んでゆくのです。」*1)と警鐘をならすのです。からだから立ち上がる「内なる声」に耳を澄まし,自ら感じ得たことを表現することに心開くことです。4先生って子どもと同じ地平に立ち,全身で感じとることに心を傾けましょう。*1)竹内敏晴『教師のためのからだとことば考』筑摩書房ちくま学芸文庫1999※三浦雅士『考える身体』NTT出版1999※鷲田清一他『身体をめぐるレッスン1夢みる身体』岩波書店200641