ブックタイトル子どもと先生を育てる授業のABC
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子どもと先生を育てる授業のABC
6失敗は挑戦の証1学校は成功経験を積み重ねるところですが,実際は,その何倍も失敗し,何度も挑戦し努力して成功をつかみ取っています。ですから,「行動には失敗が付いている」といってもいいでしょう。失敗を怖がっていては,得られるものも少ないのです。つまり,課題を見付け,解決の道筋を考え,努力を繰り返し失敗を解決するということを経験する場所が,学校なのです。教室は,もっとも多くの失敗と成功が繰り返される場であることを,子どもに伝える必要があります。わら友だちの失敗を嗤うようなことのない学級づくりをするのが先生の仕事です。アメリカのメジャーリーグで活躍するイチロー選手は,4000本安打の記録を打ち立てた時,記録達成の蔭にある8000回の失敗の方が自分にとって価値があると話しました。失敗の一つずつを悔しさの材料にして,前を向いて記録を打ち立てたというのです。失敗から多くのことが学べることを,歴史は証明しています。戦争などのように,人間は過ちを犯してきました。その都度,繰り返さない誓いを立てて現在に至っています。「過ち」は許されないことです。日常において,しようとは思っていなかったけれど間違ったり,失敗したりすることは,繰り返し起こります。自転車に乗ることができるようになったのは,何度も転んで失敗したあとに得られた成功なのです。失敗は挑戦の証と考えてみると,挑戦の向こうに成功があるといえます。学校がみえる挑戦の数だけ成功があります。※畑村洋太郎『失敗学のすすめ』講談社文庫20059