ブックタイトル子どもと先生を育てる授業のABC
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子どもと先生を育てる授業のABC
7学習の場としての学校学校は,「教育基本法」にも掲げられているように,人格形成の場であり,幸福な社会を形成する人間を養成する場です。またその内容は,人類が築き上げてきた文化や知的財産の継承です。その直接的な場が学校ということになります。ですから,学校には「未来」があるのです。学習の場として,どんな環境が子どものために用意されることが大切なのか,どの学校も,地域の方々とともに考え,子どもの学習環境を整えようと努力しています。まずは,学習環境として大切な一つとして「音」があります。静かな環境をどうつくるかです。朝や休み時間など,校内放送で先生の呼び出しなどがあります。緊急を要する場合もありますから,一概にはいえませんが,職員室から近い教室であれば,動いて伝えることも大切です。緊急時のために放送の数を減らすことで得られるものが多くあります。教室で営まれている子どもと先生の語らいを中断させてしまう場合もあります。頻繁になると,子どもの放送に耳を傾ける意識を希薄にさせてしまいます。他のクラスから流れる歌声,窓の外の木々を揺らす音,鉛筆が紙の上を行き来する音,廊下で給食を乗せた運搬台の食器が奏でる音,用務の方が廊下を掃除する音,どれもが学校の文化を表す音です。「音」だけではありません。匂いや目に訴える視覚情報も同じです。廊下の掲示物や飼育室の環境,花壇の整備など,どれも学校に欠かすことのできない文化なのです。学校の文化は,様々な人の営みによってつくられています。学校の文化は,子どもたちの原風景になるのです。学校の文化を育むことです。10※井上健治『子どもの発達と環境』UP選書193東京大学出版会1979