ブックタイトル子どもと先生を育てる授業のABC

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概要

子どもと先生を育てる授業のABC

8授業は発表会ではない学校の基本は授業です。子どもは多くの時間を学校で過ごしますが,大半は授業です。その授業の一つ一つが成長に欠かすことのできない大切な時間です。今,子どもの中で何が起こっているか,何を学んでいるかを見取る視点を常にもち合せることです。そのために先生は,子どもの傍で,寄り添いながら子どもの思いを見取るという姿勢を保つことが大切です。子どもがよく見えている先生に近づく道です。しかし,授業の効率や表面だけ繕うと子どもが見えなくなることがあります。たとえば,「同じです」の大合唱だったり,グーは賛成を表す指サインだったり,一見すると子どもの考えが見えるように思いますが,本来の子どもの姿が見えなくなってしまいます。「同じです」の大合唱に,子どもの心が埋没するのです。つぶやきを聞き取る技術をもち,子どもの本音が表れるつぶやきやささやきの出る授業をつくり上げることです。台本を読み上げるだけの発表会のような授業では,考えない子どもを育てることになりかねません。先生の都合や形だけを真似ても,真の理解を生み出す指導にはならないのです。「話し合い」と「学び合い」はちがいます。結果のわかっている発表会は,子どもの考える力を削ぐことになります。囲んで話し合う時には自由に本音を語るのに,発表会のような屏風を開いた形にした途端,萎縮する子どもたちがいます。周囲の子どもの息遣いが感じられないことで,身体間が遠くなり,孤立する子どもたちが生まれるのです。授業は,子どもの生きる営みです。自分の力で課題を解決する経験を積むところです。失敗が許され,失敗を乗り越える場所が学校です。成功経験が自尊感情を育て,自分のことが好きになり,自分に自信をもつことができるのです。2授業がみえる授業は子どもの生きる営みです。※金盛浦子『すぐ分かるよく分かるEQこころのポジティブ革命』ベストセラーズ新書1997※古荘純一『日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか』光文社新書200911