ブックタイトル子どもと先生を育てる授業のABC

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概要

子どもと先生を育てる授業のABC

9学びは共感のもとに育つ試験のための勉強は,記憶装置の拡大です。学びの構造が変わらず,知識量だけが増えて,試験後には,はくらく剥落することが多いものです。学びの構造が変わるとは,学び方が変わることであり,自分が変わることといえます。そのためには,まずもって主体的であるかどうかです。心のもちようと主体的な行動が伴うことで,学び方も変わります。失敗さえもよい経験と,発想することができます。そのためには,一人一人の考えを共感的に支える環境があることが大切です。学級集団はその一つです。「友だちの意見を聞いて同感する人は,拍手して」と,友だちの声に耳を傾け,共感する態度を「拍手」という行動に変えることで,子どもの心を育てることができます。グループで学習する意味は教室での学びを一人学習にしないことです。学習における孤立化を防ぐことです。その一つの解決策として,向かい合った4人グループの島をつくることがあります。隣同士いつもいっしょにいるというグループ学習を基本にすることです。そこで繰り広げられる学び合い,補い合いが,学びの質を変えるのです。互いの様子が目や耳,雰囲気からも感じ取ることのできる4人を基本にした島をつくることです。そこでは,操作しながら・音読しながら・身体を動かしながらという表現する過程で生み出される考えや思いが伝わるのです。互いに息の合う距離が,子どもに安心感を与えます。この談話的な構造が,子どもたちを夢中にさせる状態をつくり出すのです。指示や説明など,一斉に理解させたい時に,個別指導とバランスよく組み合わせて構築することが大切です。学びは共感のもとに育ちます。12※佐伯胖『共感-育ち合う保育のなかで』ミネルヴァ書房2007※秋田喜代美『学びの心理学-授業をデザインする』左右社2012