ブックタイトル子どもと先生を育てる授業のABC

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概要

子どもと先生を育てる授業のABC

10授業を構造化する先生は,毎日繰り返される授業の一つ一つを全身全霊で行いたいと考えますが,なかなか難しいものです。「指示と説明」を繰り返すような授業では,子どもの「考える」という大切な能力を育てないままに終わります。「考える楽しさ」を体験する授業は,子どもの成長にとって大切な経験となります。「考える」授業をつくるには,ドラマの筋立てのように構想して,授業の構造化を図ることが必要です。まず,授業の展開と大まかな子どもの反応を予測します。次に,授業の山場となる場面を焦点化することです。その場面は,子ども一人一人が主体的に思考・判断する具体的な場面です。そして,その山場へのアプローチを考えます。きっこうそのポイントとなるのが,矛盾・拮抗・対立などで問題を際立たせることです。子ども一人一人に葛藤場面が生じるような場面をつくるのです。矛盾が起こると,子どもは問題をはっきりつかみ,自分の立場を明確にする必要に迫られます。授業に関与感が生まれます。こうなると「子どもの本音」が出ます。子どもの本音が出る姿は,真の問いが生まれる意欲の表れともいえます。たとえば,「だって,それはおかしいと思う。証拠がないもの」「でも,実験から得られた事実とはちがうよ」「ぼくは,実際に見たことがあるよ」など,事実から経験を交えて根拠とする姿だったり,「私のこだわりは,ここです」「自分が考えたことを音楽にします」など,一人一人の個性が生きる表現の姿だったりします。本音が出る授業とは,子ども一人一人を大切にした授業のことなのです。2授業がみえる子どもの本音が出る授業づくりが大切です。※波多野完治『授業の心理学』小学館1987※吉本均『授業成立入門-教室にドラマを!』明治図書198513