ブックタイトル子どもと先生を育てる授業のABC
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子どもと先生を育てる授業のABC
12「させる」指導から「する」指導へある学校の先生の話です。教育実習生が作成した学習指導案の本時の展開の「教師の働きかけ」と「児童の学習活動」の欄の語尾に,教師の働きかけが“させる”で,子どもの欄は“する”が並んでいたというのです。評価は「できる」「できない」という基準で書かれていて,指導教員が現在の学力観などを説明しても,「させる」「する」という指導がなぜ悪いのか納得のいかない様子だったそうです。ここから何を感じ取るでしょうか。大学の教員養成の貧困を憂いますか。学生がこれまでの受けてきた指導を省みるべきでしょうか。私たち大人は,幼稚園や保育所からはじまって,小学校・中学校・高等学校と進むうちに,先生の話を聞いて,教えられたものをいかに理解し,記憶するのが学習であるかのような硬い殻を身に付けたのかもしれません。ですから,先の教育実習生のように,「させる」指導が当たり前のようになったのかもしれません。「させる」指導を「する」指導にするには,「学習を受け身ではなく能動的に取り組むようにする」ということが大切です。たとえば,ゲーム感覚を取り入れる,少し困難な道を挑戦するようなしくみをつくる,一人ではできないことも協同であればできるなど,工夫はいくつもあります。しかし,面白おかしく「する」指導がよいとか,奇てら異を衒う指導がよいというのではありません。学ぶことが楽しいと感じられ,実感を伴う理解や達成感・充実感にあふれる指導であるとともに,「学力」としての定着も欠かすことができません。こつこつと努力の末に達成される喜びもあります。先生は,子どもの内面を見据えて指導の手立てを工夫することです。何もしないのは,何も変わらないことと同じです。2授業がみえる子どもがするようにする指導を心がけましょう。15