ブックタイトル子どもと先生を育てる授業のABC

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概要

子どもと先生を育てる授業のABC

15教材づくりは楽しい授業の魅力の一つに「教材」の面白さがあります。教材を自分の足で探して,授業にする楽しさです。総合的な学習の時間や社会科など,地域をもとにした授業などは教材づくりのやりがいがあります。子どもの興味・関心を呼び起こす教材には,熱中して学習に取り組ませる魅力があります。興味・関心だけが熱中する授業を生み出すわけではありません。同じ教材でも見方や考え方を変えるだけで,魅力ある対象になります。何気なく見ている郵便ポストが置かれている場所も,郵便収集車が回りやすいように決められていることを発見する社会科の授業があったり,作者の意図を言葉から見付け出す国語の授業も,夢中になったりします。そこには,子どもが授業を自分ごととして,関与感を高めていく過程があるからです。授業の導入場面だけ奇抜で興味をもたせても,授業の経過とともに意欲が失われていくようでは意味がありません。新たな発見や疑問が現れるような展開が,子どもの追究を生み出します。見えないものがどんどん見えてくるような,わくわくする面白さです。身の回りには「素材」がたくさんあります。先生が素材に学習価値を加えて子どもに提示すると,それは「教材」になります。教材づくりは,先生の創造的な営みなのです。一つの例ですが,地域を歩いて見付けた「運河」をもとに地域の歴史を学ぶことができます。たとえば,川の流れに逆らって荷物を積んだ船を下流から上流に運ぶには,どんな工夫が必要だったのかなど,運搬や船舶の工夫に先人の知恵を学ぶことができます。また,運河を造る時に掘り出した土はどうしたのか,日本各地の運河の周りに柳の木が多いのはなぜかなど,当時の治水や土木技術などと合わせると,教材の幅はさらに広がります。授業の幅が広がる教材づくりは先生の喜びです。18